内田有紀、華麗なる愛人役は純粋にうれしかった…インタビュー完全版〈1〉
2021年6月12日 12時0分スポーツ報知
女優の内田有紀(45)がWOWOW「華麗なる一族」(日曜・後10時、全12話)で、主人公の愛人役・高須相子を好演している。過去に京マチ子さん、小川真由美が演じた役に「お2人とは違う相子を意識して役作りをした」と振り返った。主演の中井貴一(59)とはドラマ「最後から二番目の恋」(2012年)で兄妹役を演じており「妹の次は愛人。もう僕たちに怖いものはないね」といわれたという。くしくも「最後から―」に出演したころから女優という職業に真剣に向き合い「今はダラダラしている時間もなく、前向きで充実している」とも。10年目に入った人気ドラマ「ドクターX」や“奇跡の45歳”といわれる美貌(びぼう)の秘訣(ひけつ)も聞いた。
(ペン・国分 敦、カメラ・矢口 亨)
山崎豊子さん原作の「華麗なる一族」は、万俵財閥が生き残りを懸けて銀行の吸収合併をもくろむ中で生まれる家族の葛藤、閨閥(けいばつ)第一主義の一族の興亡を描いた作品で、過去に何度も映像化されている。当主・万俵大介(中井)の愛人で、万俵家を取り仕切る相子を演じている内田にとって、今回の汚れ役は真逆のイメージと思われるが…。
「山崎さんの作品は本も映像も好きで、この役で声をかけていただいて純粋にうれしかったです。これまで『ドクターX』やNHKのドラマ含め、いろんな役を演じてきたので違和感はありませんでした。守備範囲が広がってきたというか、私、『内田有紀=こうでなければ』というのを意識していないんですね。皆さんのイメージとは大きく違うのかなという自覚はありますが、そこは見て下さった人に委ねていこうと思います。お返事をしてから、いろんな意味でしっかり準備をしてチャレンジしないといけないと、改めて気を引き締めました」
過去に相子は京マチ子さんら艶(つや)っぽい女優が演じてきたが、内田は今までとは解釈の違った色を吹き込んだ。
「悪女の十八番の方というか悪女のプロというか。先輩方の高須相子はすごすぎてそこで完結されているので、私にしかできないことを探しました。艶っぽさは自分で出すモノというよりも感じてもらえればという感じで、自分の中ではキャリアウーマンを意識したんです。最初の衣装合わせ時に担当の方が『相子ってキャリアウーマンのはしりなんじゃないかな』っておっしゃっていて、それを聞いた時に腑に落ちたんですね。家の中でいる姿と外に対しての顔というのをきちんと使い分けられるように、キャリアウーマンの方の衣装を強めに出そうということでした」
―愛人役だが…。
「愛人というとらえ方というよりは、その時代に女の人が生きていくのは大変だったでしょうから…。自分で仕事をしながらっていう時代ではなかったはずなので、彼女が生きていくには強さとか賢さとか、ちょっと計算高いというか策士というか、そういう部分を持たないと生きられないかなというのは強めに考えました。メイクも衣装も高須を作る時のまあ武装ですよね。家の中では口紅も控えめですし、対外的にお見合いのシーンだったり、なにか駆け引きをする時は相子のメイクは濃いです。家の中では薄いです。口紅の色とかは落としてます。一応分けてます。見て下さい(笑い)」
中井貴一とはドラマで兄妹を演じて以来の顔合わせとなったが、頼もしさは変わっていなかったようだ。
「貴一さんが出る初日に『何て言われるのかな~』って思っていました。『今日からは妹じゃないよね。これから2人は何でもできるね。妹だし愛人だし』って笑ってました。それだけです。初共演した『じゃじゃ馬ならし』(93年)のころは私もデビューしたばかりで、貴一さんは観月ありさちゃんの義理のお父さん役でした。学校のシーンの撮影日にちょっと喉が痛かったんですね。プロポリスがまだ世の中に出回っていないころに喉にシュッシュッとするのも『有紀ちゃん、これ使いな』ってくださったんです。その優しさは昔も今も変わっていません。何かいいモノを、仲間が困っていると必ず手を差し伸べて下さる先輩というのは1ミリも変わっていません。さらにパワーアップされています。(座長をしても)すごい気の配り方でした」
―中井貴一はどんな存在か。
「プロデューサーの方が『(主演が)貴一さんだから(相子役は)内田で』と言ってくださりました。これも聞いたお話ですけど、貴一さんが私を高須相子に選んだのがプロデューサーさんのすてきなところだって言って下さったみたいです。貴一さんは『イメージの逆の役だからこそオファーするとか、そういう作品作りをするのはすてき』という言い方をしていて『(相子は)私のイメージじゃないよね』という、そこを狙うっていうんですかね。貴一さんが『ハリウッドの女優さんもそういう(イメージと逆の)感じで仕事の広がり方をしていく。私にとってはプラスなんじゃない』っておっしゃってくれたんで、感謝しています」
<2>へ続く
2021年6月12日 12時0分スポーツ報知
女優の内田有紀(45)がWOWOW「華麗なる一族」(日曜・後10時、全12話)で、主人公の愛人役・高須相子を好演している。過去に京マチ子さん、小川真由美が演じた役に「お2人とは違う相子を意識して役作りをした」と振り返った。主演の中井貴一(59)とはドラマ「最後から二番目の恋」(2012年)で兄妹役を演じており「妹の次は愛人。もう僕たちに怖いものはないね」といわれたという。くしくも「最後から―」に出演したころから女優という職業に真剣に向き合い「今はダラダラしている時間もなく、前向きで充実している」とも。10年目に入った人気ドラマ「ドクターX」や“奇跡の45歳”といわれる美貌(びぼう)の秘訣(ひけつ)も聞いた。
(ペン・国分 敦、カメラ・矢口 亨)
山崎豊子さん原作の「華麗なる一族」は、万俵財閥が生き残りを懸けて銀行の吸収合併をもくろむ中で生まれる家族の葛藤、閨閥(けいばつ)第一主義の一族の興亡を描いた作品で、過去に何度も映像化されている。当主・万俵大介(中井)の愛人で、万俵家を取り仕切る相子を演じている内田にとって、今回の汚れ役は真逆のイメージと思われるが…。
「山崎さんの作品は本も映像も好きで、この役で声をかけていただいて純粋にうれしかったです。これまで『ドクターX』やNHKのドラマ含め、いろんな役を演じてきたので違和感はありませんでした。守備範囲が広がってきたというか、私、『内田有紀=こうでなければ』というのを意識していないんですね。皆さんのイメージとは大きく違うのかなという自覚はありますが、そこは見て下さった人に委ねていこうと思います。お返事をしてから、いろんな意味でしっかり準備をしてチャレンジしないといけないと、改めて気を引き締めました」
過去に相子は京マチ子さんら艶(つや)っぽい女優が演じてきたが、内田は今までとは解釈の違った色を吹き込んだ。
「悪女の十八番の方というか悪女のプロというか。先輩方の高須相子はすごすぎてそこで完結されているので、私にしかできないことを探しました。艶っぽさは自分で出すモノというよりも感じてもらえればという感じで、自分の中ではキャリアウーマンを意識したんです。最初の衣装合わせ時に担当の方が『相子ってキャリアウーマンのはしりなんじゃないかな』っておっしゃっていて、それを聞いた時に腑に落ちたんですね。家の中でいる姿と外に対しての顔というのをきちんと使い分けられるように、キャリアウーマンの方の衣装を強めに出そうということでした」
―愛人役だが…。
「愛人というとらえ方というよりは、その時代に女の人が生きていくのは大変だったでしょうから…。自分で仕事をしながらっていう時代ではなかったはずなので、彼女が生きていくには強さとか賢さとか、ちょっと計算高いというか策士というか、そういう部分を持たないと生きられないかなというのは強めに考えました。メイクも衣装も高須を作る時のまあ武装ですよね。家の中では口紅も控えめですし、対外的にお見合いのシーンだったり、なにか駆け引きをする時は相子のメイクは濃いです。家の中では薄いです。口紅の色とかは落としてます。一応分けてます。見て下さい(笑い)」
中井貴一とはドラマで兄妹を演じて以来の顔合わせとなったが、頼もしさは変わっていなかったようだ。
「貴一さんが出る初日に『何て言われるのかな~』って思っていました。『今日からは妹じゃないよね。これから2人は何でもできるね。妹だし愛人だし』って笑ってました。それだけです。初共演した『じゃじゃ馬ならし』(93年)のころは私もデビューしたばかりで、貴一さんは観月ありさちゃんの義理のお父さん役でした。学校のシーンの撮影日にちょっと喉が痛かったんですね。プロポリスがまだ世の中に出回っていないころに喉にシュッシュッとするのも『有紀ちゃん、これ使いな』ってくださったんです。その優しさは昔も今も変わっていません。何かいいモノを、仲間が困っていると必ず手を差し伸べて下さる先輩というのは1ミリも変わっていません。さらにパワーアップされています。(座長をしても)すごい気の配り方でした」
―中井貴一はどんな存在か。
「プロデューサーの方が『(主演が)貴一さんだから(相子役は)内田で』と言ってくださりました。これも聞いたお話ですけど、貴一さんが私を高須相子に選んだのがプロデューサーさんのすてきなところだって言って下さったみたいです。貴一さんは『イメージの逆の役だからこそオファーするとか、そういう作品作りをするのはすてき』という言い方をしていて『(相子は)私のイメージじゃないよね』という、そこを狙うっていうんですかね。貴一さんが『ハリウッドの女優さんもそういう(イメージと逆の)感じで仕事の広がり方をしていく。私にとってはプラスなんじゃない』っておっしゃってくれたんで、感謝しています」
<2>へ続く