劇場版「鬼滅の刃」は「興行収入100億円最短到達記録」を更新するのか?
映画はコケた、大ヒット、など、経済的な視点からも面白いコンテンツが少なくない。そこで「映画の経済的な意味を考えるコラム」を書く。それがこの日記の核です。
また、クリエイター目線で「さすがだな~」と感心する映画も、毎日見ていれば1~2週間に1本くらいは見つかる。本音で薦めたい作品があれば随時紹介します。
更新がないときは、別分野の仕事で忙しいときなのか、あるいは……?(笑)
「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」が10月16日(金)から劇場公開され、「史上初の記録」を次々と打ち立てています。
まず、映画のヒットの基準は、基本的には(最終)興行収入10億円が大きなラインとされていますが、本作の場合は、初日が普通の金曜日であったにもかかわらず「興行収入12億6872万4700円(動員91万507人)」と、平日の1日で興行収入10億円を飛び超えてしまいました。
もちろん、これは「平日における映画の興行収入・動員の歴代1位」を記録しています。
そして、週末の土日には、17日(土)は「興行収入17億172万3350円(動員127万234人)」、18日は「興行収入16億5266万9400円(動員123万9752人)」となっています。
これも、「土曜における映画の興行収入・動員の歴代1位」と「日曜における映画の興行収入・動員の歴代1位」を記録しています。
そして、わずか3日間で興行収入46億2311万7450円(動員数342万493人)と、これまでの歴代初週の最高だった「アナと雪の女王2」の19.4億円を超えるばかりか、倍以上も稼いでしまったのです!
ここまでの勢いが出ると、どこまで新たな記録を塗り替えることができるのかが、次の大きな焦点の一つになってきます。
そこで、日本の歴代興行収入ランキングを見てみると次のようになっています。
●日本の歴代興行収入ランキング
1位:「千と千尋の神隠し」 興行収入308.0億円
2位:「タイタニック」 興行収入262.0億円
3位:「アナと雪の女王」 興行収入255.0億円
4位:「君の名は。」 興行収入250.3億円
5位:「ハリー・ポッターと賢者の石」 興行収入203.0億円
6位:「ハウルの動く城」 興行収入196.0億円
7位:「もののけ姫」 興行収入193.0億円
8位:「踊る大捜査線 THE MOVIE2 レインボーブリッジを封鎖せよ!」 興行収入173.5億円
9位:「ハリー・ポッターと秘密の部屋」 興行収入173.0億円
10位:「アバター」 興行収入156.0億円
【2020年8月2日(興行通信社調べ)】
そして、作品の勢いを表す「興行収入100億円に到達した日数」を見てみると、次のようになっています。
●「興行収入100億円に到達した日数」の最短ランキング
1位:公開から25日目 「千と千尋の神隠し」
2位:公開から28日目 「ハリー・ポッターと賢者の石」
2位:公開から28日目 「君の名は。」
4位:公開から29日目 「踊る大捜査線 THE MOVIE2 レインボーブリッジを封鎖せよ!」
5位:公開から31日目 「崖の上のポニョ」
6位:公開から32日目 「ハリー・ポッターと秘密の部屋」
7位:公開から33日目 「ハウルの動く城」
8位:公開から34日目 「天気の子」
9位:公開から37日目 「アナと雪の女王」
9位:公開から37日目 「アリス・イン・ワンダーランド」
11位:公開から40日目 「アナと雪の女王2」
このように、歴代興行収入ランキングのトップの「千と千尋の神隠し」でさえ、公開から興行収入100億円に到達するまでに1か月近くの25日間かかっています。
ただ、今回の「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」は、週末が明けて平日になっても勢いは落ちず、公開から4日目には興行収入50億円を突破しています。
かなり異次元すぎる推移なので、過去のデータが当てにならない部類なのですが、今のところ、最速で次の週末の日曜日には興行収入100億円を突破する可能性があります。
つまり、これまでの1位の「公開から25日目で興行収入100億円を突破」という記録が、「公開から10日目で興行収入100億円を突破」という新記録に生まれ代わる可能性があるのです!
遅くとも来週の月曜日か火曜日あたりには突破が濃厚で、よほどの事が起こらない限り、興行収入100億円という大台への到達記録が倍のスピードで短縮することになりそうなのです。
何より、作品の出来がストーリー、映像、音楽と、どれも最高峰のクオリティーだと思うので、このスピード感であれば、まずは興行収入200億円は十分に射程圏内
