2006.11.17 Friday
翼
先日、昼下がりの东京の空にものすごく大きな鸟が一羽、
优雅に旋回しながら飞んでるのを见かけたよ。
「すごいね!メチャクチャでかいじゃん。见てよあの翼!」
友达とそんな会话をしながら眺めていたら、友达が一言。
「みんなにも翼があるんだよ」
「えっ?」
「飞べないけどね」
「へぇ~、いいこと言うねぇ」
くさいな~、なんて思いながらもその言叶が结构响いたみたいで
色々なことを考えてた。
以前、スタンダードソングで「SOUL
VACATION」という芝居をやった时のこと。
癌に冒され余命仅かという主人公が、剧中でみんなに
「翼をください」という曲が大好きなんだと言うシーンがあって、
まあ、最后の方で彼のために歌ってあげちゃったりなんかするんだけど、
勿论この曲は以前から知っていたし、いい曲だと思ってた。
谁もが一度は大空を自由に飞び回ってみたいって思うし、自分だって
そんな事が出来たらなんて素敌なんだろうってリアルに感じていたくせに、
当时25才くらいで若かったせいなのか、すごい良い诗だとは分かっていながらも
结局はこれって现実逃避者の代弁歌なんじゃないの?
みたいな、心に余裕の无い头でっかち的な考えだったこと。
そんなある日の思い出と、
さらにもう一つ
以前、眼底下骨折で入院したときのこと。
同じ病室の斜め向かいに寝たきりのおじさんがいた。
话を闻くと彼はもうかれこれ9ヶ月间も寝たきりみたいだった。
ちょうど世の中は21世纪を迎えたさなか、ミレニアムカウントダウンも
病室で过ごしたなんて言ってたおじさんがある日、
「佐伯君!ニュース!ニュース!」
「何、何?どうしたの?」
「今日ね、午后に车イス乗るんだよ!」
「そうなの?どっか行くの?」
「とりあえずこの病栋の中だけだって」
満面の笑みで语りかけてくるおじさん。
正直心の中で、ん?ん?ん?何がニュースなんだ?って思ってた。
「俺さ~、この病院の外観とか中がどうなってるか全然知らないんだよね。
俺のベッドの上の天井しか知らないのよ~」
死ぬほど嬉しそうな颜して言ったおじさんのこの一言でやっと理解した。
やばいな~俺・・・。
怪我して卑屈になってた仆のケツを思いっきり蹴飞ばされたような感覚だった。
当たり前のように自由に歩き回れることがどんなに凄いことなのか
って改めて教えてもらったこと。
色々な思い出がどんどん出てきたよ。
今になって本当に理解できることって沢山ある。
当时だって分かっていたつもりでも、后になって本当に分かったとき、
结局当时は半分も理解していなかったんだって、
最近はそんなことが多いな。
普段の生活の些细な会话の中で突然、
ああ、あの时10年前にあの人が言ってたことってこういうことだったんだ!
ってね。
时が経てば、考え方も感じ方も本当に変わるね。
あの诗も今になって本当の意味を理解できたのかもしれないな。
今 私の愿い事が
叶うならば 翼が欲しい
この背中に 鸟のように
白い翼 つけて下さい
この大空に 翼を広げ 飞んで行きたいよ
悲しみのない 自由な空へ 翼はためかせ 行きたい