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お笑いコラム【この芸人を见よ!101】スリムクラブ 最后のM-1を駆け抜けた「超スローテンポという革命」
2011年01月27日11时00分
提供:日刊サイゾー
2010年の「M-1グランプリ」は、最后のM-1にふさわしい大激戦となった。9年连続决胜进出の笑い饭が何とか逃げ切って念愿の优胜を果たしたものの、彼らは最后までスリムクラブの猛追に胁かされていた。决胜初登场のスリムクラブは优胜こそ逃したものの、インパクト抜群の芸风で日本中に冲撃を与えた。彼らのもとには、その日のうちに约160件のテレビ出演・メディア取材のオファーが寄せられたという。
スリムクラブが决胜の舞台で披露した漫才は、M-1の长い歴史の中でも珍しい「超スローテンポ漫才」だった。彼らは、意図的にセリフとセリフの间にたっぷり间合いを取り、ゆっくりと话を进めていった。その斩新なスタイルが评価されて、彼らは准优胜を成し遂げたのである。
それまでのM-1では、テンポの遅い漫才は不利だとされてきた。実际、过去に优胜・准优胜を果たした芸人の大半が、スピード感のある挂け合いを得意とするコンビである。一般に、漫才では速いテンポでネタを进めていく方が、観客を乗せやすく、爆笑を起こしやすいと言われている。日常会话に近いゆったりしたテンポの漫才を演じるおぎやはぎ、POISON GIRL BAND、変ホ长调といった芸人は、决胜の场で今ひとつ结果を出せていない。
だが、スリムクラブはあえて「超スローテンポ漫才」を选んだ。そこには、ハイスピード漫才が评価されるM-1だからこそ、ゆっくりした漫才で笑いを取ることができれば圧倒的に目立つことができる、という计算もあったのかもしれない。ただ、それ以上に大きいのは、自分たちの持ち味を生かすためにスローテンポを追求することにした、ということだろう。
ボケ担当の真栄田贤は、2009年に开催された大喜利イベント「ダイナマイト関西ヤングマスター」で优胜を果たすほどの大喜利の达人であり、一撃必杀のボケフレーズの切れ味には绝大なる自信を持っている。また、彼には、しゃがれた声と不気味な风貌という武器も备わっていた。それらの武器を生かすためには、あえてたっぷりと间合いを取って、少しずつ言叶を継ぎ足すようにしてしゃべるボケ方が最も効果的だったのだ。
また、ツッコミの侧から见ても、スリムクラブがあの形の漫才を演じることには意味があった。ツッコミ担当の内间政成は、つかみどころのない风貌と、冲縄なまりのひと癖あるしゃべり方が特徴的な芸人だ。相方の真栄田に出会うまで、内间は自分のなまりにコンプレックスがあり、それをなるべく隠そうとしていたのだという。だが、真栄田は「方言を隠す必要はない。自分にとって自然なしゃべり方をすればいい」と、内间を说得した。その结果、内间はネタの中でも冲縄なまりの混じった妙なイントネーションで真栄田にツッコミを入れるようになり、そのことで笑いも増幅していったのである。
漫才の中で、内间の役割はただのツッコミではない。真栄田が演じる强烈な个性を持つ人物に直面して、あきれて怯える人间をそのまま演じているだけだ。たっぷりと间合いを使って、彼はあきれかえり、言叶に诘まり、爱想笑いすら浮かべる。それは、日常で実际に変な人に遭遇したときの人间の反応として、この上なく自然で、リアリティに満ちたものだった。
彼らは、単に奇をてらって超スローテンポ漫才を演じたわけではない。自分たちの持つルックス、キャラクター、笑いの感覚など、あらゆる要素を考虑に入れた上で、结果的にそこにたどり着いたのである。
他の漫才师が、ハイスピード漫才で自ら枪や弓矢を携えて笑いを取りに行くのに対して、スリムクラブは超スローテンポ漫才で罠を张り、観客がそこにはまるのをじっと待ち构える。「攻め」ではなく「待ち」の笑いを彻底して磨き上げたことで、彼らはM-1史上に残る英雄となったのだ。
(文=お笑い评论家・ラリー远田)
※画像は「スリムクラブ内间のBLOG」より
お笑いコラム【この芸人を见よ!101】スリムクラブ 最后のM-1を駆け抜けた「超スローテンポという革命」
2011年01月27日11时00分
提供:日刊サイゾー
2010年の「M-1グランプリ」は、最后のM-1にふさわしい大激戦となった。9年连続决胜进出の笑い饭が何とか逃げ切って念愿の优胜を果たしたものの、彼らは最后までスリムクラブの猛追に胁かされていた。决胜初登场のスリムクラブは优胜こそ逃したものの、インパクト抜群の芸风で日本中に冲撃を与えた。彼らのもとには、その日のうちに约160件のテレビ出演・メディア取材のオファーが寄せられたという。
スリムクラブが决胜の舞台で披露した漫才は、M-1の长い歴史の中でも珍しい「超スローテンポ漫才」だった。彼らは、意図的にセリフとセリフの间にたっぷり间合いを取り、ゆっくりと话を进めていった。その斩新なスタイルが评価されて、彼らは准优胜を成し遂げたのである。
それまでのM-1では、テンポの遅い漫才は不利だとされてきた。実际、过去に优胜・准优胜を果たした芸人の大半が、スピード感のある挂け合いを得意とするコンビである。一般に、漫才では速いテンポでネタを进めていく方が、観客を乗せやすく、爆笑を起こしやすいと言われている。日常会话に近いゆったりしたテンポの漫才を演じるおぎやはぎ、POISON GIRL BAND、変ホ长调といった芸人は、决胜の场で今ひとつ结果を出せていない。
だが、スリムクラブはあえて「超スローテンポ漫才」を选んだ。そこには、ハイスピード漫才が评価されるM-1だからこそ、ゆっくりした漫才で笑いを取ることができれば圧倒的に目立つことができる、という计算もあったのかもしれない。ただ、それ以上に大きいのは、自分たちの持ち味を生かすためにスローテンポを追求することにした、ということだろう。
ボケ担当の真栄田贤は、2009年に开催された大喜利イベント「ダイナマイト関西ヤングマスター」で优胜を果たすほどの大喜利の达人であり、一撃必杀のボケフレーズの切れ味には绝大なる自信を持っている。また、彼には、しゃがれた声と不気味な风貌という武器も备わっていた。それらの武器を生かすためには、あえてたっぷりと间合いを取って、少しずつ言叶を継ぎ足すようにしてしゃべるボケ方が最も効果的だったのだ。
また、ツッコミの侧から见ても、スリムクラブがあの形の漫才を演じることには意味があった。ツッコミ担当の内间政成は、つかみどころのない风貌と、冲縄なまりのひと癖あるしゃべり方が特徴的な芸人だ。相方の真栄田に出会うまで、内间は自分のなまりにコンプレックスがあり、それをなるべく隠そうとしていたのだという。だが、真栄田は「方言を隠す必要はない。自分にとって自然なしゃべり方をすればいい」と、内间を说得した。その结果、内间はネタの中でも冲縄なまりの混じった妙なイントネーションで真栄田にツッコミを入れるようになり、そのことで笑いも増幅していったのである。
漫才の中で、内间の役割はただのツッコミではない。真栄田が演じる强烈な个性を持つ人物に直面して、あきれて怯える人间をそのまま演じているだけだ。たっぷりと间合いを使って、彼はあきれかえり、言叶に诘まり、爱想笑いすら浮かべる。それは、日常で実际に変な人に遭遇したときの人间の反応として、この上なく自然で、リアリティに満ちたものだった。
彼らは、単に奇をてらって超スローテンポ漫才を演じたわけではない。自分たちの持つルックス、キャラクター、笑いの感覚など、あらゆる要素を考虑に入れた上で、结果的にそこにたどり着いたのである。
他の漫才师が、ハイスピード漫才で自ら枪や弓矢を携えて笑いを取りに行くのに対して、スリムクラブは超スローテンポ漫才で罠を张り、観客がそこにはまるのをじっと待ち构える。「攻め」ではなく「待ち」の笑いを彻底して磨き上げたことで、彼らはM-1史上に残る英雄となったのだ。
(文=お笑い评论家・ラリー远田)
※画像は「スリムクラブ内间のBLOG」より