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二章 出会うの梦
其処は人が居る。
周りの全てが彼は熟知していたが、たしかそこには人がいないはずだった。
あるいは、生きてる人は居ないはずだった。
「谁だ……」
雑然としている炼瓦、飞び散ってる尘埃、中には细い姿が立っていた。
その姿は何処かで会った事が有る気がしていた。でも、远いから良く见えない。
又…梦だろう……
彼はそう思った。
こんな物は多过ぎだからな。しかし、今度はちょっと违うようだな
怖く…ない……
彼は歩いながら周囲を见回して、记忆との相违点を捜していた。
その姿の方向へ。
血の匂いもないし、火事もない。かわりに、かすかな香りが风に乗って漂ってくる。
まるで、昏い夜に咲く花の様な匂い。
「此れは、一体……」
一体何と云う事でしょう、何か深い意味が有るのか…
彼は歩いながら考えていた。
そしてその姿もだんだん见えるになってきた。
きれい、白い、少年の姿。
「そうか…お前か…矢张りお前かな……」
その少年は静かに风の中に立っていた、振り返えず、言叶もない。
「如何して、其所に……」
少年の髪は柔顺に舞い上がて、横颜も隠した。
彼は少年の后ろに近づいた、口を开くところに、突然少年の声がひびいた。
その弱々しい香りと一绪に、はっきり受け止められた。
「ね、デュオロン、知てる?今、ボクの瞳は、何の色?」
◆◇◆◇◆
そこは人が居る。
あの时のあの人と同じ、上海の片隅に残る、古ぼけた路地の奥深い所に、人が立っていた。
ここは彼によく知られている场所だが、もう几年ぶりだった。
どうしてそんな狭くて暗い横町の中、その姿はそんなに目立つだったのか、彼が脳味噌を绞めるほど考えていた。
しかしもちろん、答案なし。
その姿はどこかで会ったことがある気がしていた。でも、远いから良く见えない。
変だな…
彼はそう思った。
俺は今、ここにいないはずなのに…
変わると知っていたが、あしは思わず动きていた。
その姿の方向へ。
冷たい夜风もないし、虫の鸣くもない。かわりに、たたない音が伝えくる。
まるで、野山で走る狐の様な音。
「なんなんだ、これ」
彼は大袈裟な溜息をついて、头をかいた。
そしてその姿もだんだん见えるになってきた。
きれい、赤い、少年の姿。
「なんが、おまえかよ このクソガキ」
その少年は静かに暗の中に立っていた、振り返えず、言叶もない。
「こんなところで何がしあがったよおい」
知人としての挨拶を无视するように、少年は何を见やった。
「おい」
彼は少年の傍に近づいて、もう一度呼び挂けた。
今度、少年の返事があった。
はっきり、触れられるところにあった。
「ね、シェン、留守のアイダに、ちゃんとニャンコのことに配虑しなかったよね……」
◆◇◆◇◆
「……ってことは、今日も仕事なし、だのか?」
シェンはこんな时にいつも新闻を読んでいる友人に闻いて、背伸をした。
ただ二十代男だが、そんな习惯が持ったのは见るからに年寄り然としていただろう、実に何かニュースに兴味ある様もないのに。
「ああ……其れより、又元気が无い様だな。」
新闻纸の上から相手の颜を一瞥して、その状态をすぐ気づいたいた。
「そんなにオレのことを心配してるのか?感动するほどよ。」
シェンはそう言いながら笑ってきた。
「……绿茶とコーヒー、どっち?」
「もちろんビールだ。」
その答えを気にかけず、デュオロンは立ち上がって、お汤をポットに注ぎ込んだ。
「ビールって言っただろう、主妇さんよ。」
闻こえなかったのふりをして、デュオロンはお茶を入れながら、会话を続けた。
「又……梦でも见っただろう。」
「なんだよ、まさかオレサマは何か寝言を言ったのか?」
「昔、妹のお母さんが言いた、梦は大切なものと。」
「その妹、たしか笑龙ってあの子だのか?」
シェンは目が细めて、そのはかなげな若い姿が头の中で浮かべた。
「…ん。梦と云う物は、唯记忆の残りじゃない、时々、未来を予示为る事も出来る。」
「迷信だなおまえ。それにしてもオレはな、振り返るほどの过去もなければ将来のビジョンもないんだ。」
「そうか……」
「そうだよ。」
「でも、最近、俺も……何か重要な事を忘れた気がしてるだ。」
陶磁の茶碗の缘を抚でて、デュオロンは目を伏せた。