原作は4回以上読み直しているくらい好きな作品なのですが、あまりに好き过ぎて过去の映像化作品は観たことがありません。
それは、私の头の中に描き出された雪穂や桐原が実写で动き出したら....と想像したときに、そのギャップをうまく补完できなかった场合には原作まで嫌いになってしまうんじゃないかという不安を感じているからなんですよね。
そんなわけで正直観ようかどうか迷ったのですが、高良君を桐原役にキャストするという绝妙さに心惹かれて観に行くことにしました。
まず全体の感想ですが、ストーリーは网罗性に主眼をおいて原作をしっかりと踏袭している点がとても印象的でした。
あれだけボリュームのある原作を2时间ちょっとに诘め込むわけにはいきませんので、どこかしら削らないといけないわけですが、その削る部分のチョイスのうまさがかなり际立っていました。
読んでて印象の薄かった部分は削られていましたし、逆に雪穂や桐原の酷薄さに冲撃を受けたシーンについては大抵残されていたので、作品全体をしっかりと网罗しているという印象を受けました。もちろん无くなったり変わってしまっていた部分も结构あったのですが、そういった点についてもおおよそ不満は感じませんでした。
そしてストーリーに関してもう一点付け加えておきたいのは、映画独自の要素として雪穂と桐原の幼少期を具体的に映像化しているシーンがある点です。原作ではその可能性について促されるに过ぎなかった二人の过去を具体的に描いていてその内容を补完してくれた点は、高く评価したいと思います。
ただ、このシーンを入れたことで雪穂のもっとも大きな魅力でもあった计り知れなさが薄れてしまったために、その点をどう受け止めるのかと言う点については賛否が分かれそうです。原作に强い思い入れがある人の中には「过剰な表现」と言い切った人がいましたが、そう思う気持ちもわかるような気がします。
原作を読んでわたしがどうしても分からなかった点の一つに、笹垣が述べていた「桐原と雪穂は相利共生の存在である」という指摘があります。雪穂がのし上がっていくためには桐原が必要な存在だったのは间违いありませんが、では果たして桐原にとって雪穂とは本当に必要だったのかどうか、映画を観终えた今でもその点は疑わしいと感じています。
もちろん命を赌して守りたかったのかも知れませんが、わたしの中ではどうしても桐原が雪穂を必要とした理由がよくわからないんですよね。続编とも言われている「幻夜」の内容まで加味して考虑すればまた话は変わるのですが、どうしてもそこに必然性を感じられないんですよね。
必然性と言うか、桐原が雪穂を助けたいと思う理由かな。
雪穂の过去をあそこまで表现したのであれば、その部分にもう少し踏み込んでくれたら嬉しかったなと感じました。
ひとつだけ不満があるとすれば、作品の中に人间ドラマみたいなものを持ち込んだことかな。
作中(特にラストあたり)、笹垣の桐原に対する発言や行动というのは、この作品が描く「外见やちょっとした付き合いだけでは计り知れない人间が内に秘めた暗の深さ」を台无しにする破壊力があると感じたし、その点は非常に不満をおぼえました。何であんな安っぽいドラマにする必要があったのか、そこだけはとても残念でした。
この映画を観たら原作と幻夜をとおして読みたくなったので、3日かけて読み通しました。
読んでいろいろと思ったことがあったので、それについてはまた后日感想をまとめたいと思います。原作はいい意味で破壊力を秘めた杰作ですね。
それは、私の头の中に描き出された雪穂や桐原が実写で动き出したら....と想像したときに、そのギャップをうまく补完できなかった场合には原作まで嫌いになってしまうんじゃないかという不安を感じているからなんですよね。
そんなわけで正直観ようかどうか迷ったのですが、高良君を桐原役にキャストするという绝妙さに心惹かれて観に行くことにしました。
まず全体の感想ですが、ストーリーは网罗性に主眼をおいて原作をしっかりと踏袭している点がとても印象的でした。
あれだけボリュームのある原作を2时间ちょっとに诘め込むわけにはいきませんので、どこかしら削らないといけないわけですが、その削る部分のチョイスのうまさがかなり际立っていました。
読んでて印象の薄かった部分は削られていましたし、逆に雪穂や桐原の酷薄さに冲撃を受けたシーンについては大抵残されていたので、作品全体をしっかりと网罗しているという印象を受けました。もちろん无くなったり変わってしまっていた部分も结构あったのですが、そういった点についてもおおよそ不満は感じませんでした。
そしてストーリーに関してもう一点付け加えておきたいのは、映画独自の要素として雪穂と桐原の幼少期を具体的に映像化しているシーンがある点です。原作ではその可能性について促されるに过ぎなかった二人の过去を具体的に描いていてその内容を补完してくれた点は、高く评価したいと思います。
ただ、このシーンを入れたことで雪穂のもっとも大きな魅力でもあった计り知れなさが薄れてしまったために、その点をどう受け止めるのかと言う点については賛否が分かれそうです。原作に强い思い入れがある人の中には「过剰な表现」と言い切った人がいましたが、そう思う気持ちもわかるような気がします。
原作を読んでわたしがどうしても分からなかった点の一つに、笹垣が述べていた「桐原と雪穂は相利共生の存在である」という指摘があります。雪穂がのし上がっていくためには桐原が必要な存在だったのは间违いありませんが、では果たして桐原にとって雪穂とは本当に必要だったのかどうか、映画を観终えた今でもその点は疑わしいと感じています。
もちろん命を赌して守りたかったのかも知れませんが、わたしの中ではどうしても桐原が雪穂を必要とした理由がよくわからないんですよね。続编とも言われている「幻夜」の内容まで加味して考虑すればまた话は変わるのですが、どうしてもそこに必然性を感じられないんですよね。
必然性と言うか、桐原が雪穂を助けたいと思う理由かな。
雪穂の过去をあそこまで表现したのであれば、その部分にもう少し踏み込んでくれたら嬉しかったなと感じました。
ひとつだけ不満があるとすれば、作品の中に人间ドラマみたいなものを持ち込んだことかな。
作中(特にラストあたり)、笹垣の桐原に対する発言や行动というのは、この作品が描く「外见やちょっとした付き合いだけでは计り知れない人间が内に秘めた暗の深さ」を台无しにする破壊力があると感じたし、その点は非常に不満をおぼえました。何であんな安っぽいドラマにする必要があったのか、そこだけはとても残念でした。
この映画を観たら原作と幻夜をとおして読みたくなったので、3日かけて読み通しました。
読んでいろいろと思ったことがあったので、それについてはまた后日感想をまとめたいと思います。原作はいい意味で破壊力を秘めた杰作ですね。
