
できるのだ。
一人の少女を支配すること。…これだけの犯罪的行为で、
もるで自分はこの职员室にいる谁よりも高みに达してもったように私は错覚することがあった。
…多くの哲学が、人间が达するべき高みについて问いかけてきた。
私は、どうすれば自分の人间としての格を上げることができるのか、
他人に见下されているように感じずに済むのか、
若い日に真剣に悩んだことがある。
でも、その解决方法はこんなにも身近に転がっていたのだ。
谁がを支配し、その上に立つ。
それだけのことで、私は子どもの顷から拭えなかったコンプレックスを克服することができたのだ。
だからこそ、自分は今や、谁からも见下されているように感じることはなく、それどころか、
生徒のいないところで下世话な话に花を咲かせる同僚たちを见下す优越感にさえ浸ることができたのだった。
……だが同时に、すっかり影を潜めてしまったはずの、
怯えの心がわずかに残ることも自覚していた。
思いのままに少女を自在にできる日々は、
今日も明日も明后日も続くだろう。
…だが、来年も再来年も十年后も続くわけがない。
森谷毬枝が一生徒に过ぎない限り、やがて进级し、卒业する。
彼女を取り巻く环境は変化し、いつしか私の支配が及ばなくなる时が来るだろう。
その时、疎远になったカップルがいつの间にか别れてしまうように、
绮丽さっぱり终わってくれればいいが、それに期待するのはあまりに无谋だった。
私が毬枝に强いてきたことは、まったくの言い訳の余地なく犯罪だ。
私からの解放を望む彼女は、决して谁にも言わないといつも誓うが、
それは私の支配下にあり、逃げ场がどこにもないからこそであって、
状况や立场が変われば、すぐにでも豹変し、**に通报するに违いない。
……たとえ、今がどれだけ従顺であってもだ。
人は心の底から屈服したりなどしない。
いつか访れる解放の日までを、もっとも风当たりが少なく过ごす方法として、
屈服して见せるだけなのだ。
森谷毬枝は、いつかきっと自分を裏切る。
だからこそ。……私は、この心とろける日が一日でも长く続くように。
そして、それでもいつかは必ず终わりを迎えるこの日々が平穏に终わることができるよう、
少しずつ考え始めていた…。
初めに思いついたのは、彼女が卒业してからも支配を続け、
永远に私を裏切らないようにすること。
……だが、永远を维持することなど人の身にできることではない。
とならば、この日々が必ず终わることを前提に、
绮丽に终わらせることを考えなければならないのだ。
绮丽な终わりとは、どのようなものなのか。
永远に裏切らない保证がない相手を、
永远に裏切らないと信用できるよう终わらせるのはどのようなものなのか。
それを突き诘めた时、…生き着いた答えは非常にシンプルだった。
その解答は、テレビや映画にいくらでも溢れていた。
だからすぐに思いつくことができた。
…この顷から、……私の心の中に、……いつしか、
森谷毬枝を杀サナケレバナラナイという考え
が芽生えるようになってくる。
少なくとも、今の时点では毬枝は従顺だ。
家庭环境に不和を抱えるという彼女は、
家族にも相谈できず、元々いじめられっ子なので、
クラスにも相谈できる友人はいない。
だから、彼女が従顺である内に、确実な方法で彼女を葬ってしまうべきなのだ…。
私の手の平に、じっとりと嫌な汗が溜まるのがわかる。
……そう、これはツケなのだ。
一人の少女を蹂躙し欲望のはけ口にするという、许されぬ罪に対するツケ。
だが、そのツケの支払い方は、
罪にさらに罪を重ねるという非人道の极みだ。
……でも、私より悪いやつはいくらでもいる。
…私は今日まで、いや、今日以降も、灭私奉公を続け、
谁よりも高洁に教职であり続ける。
担任を精力的にこなし、部活の顾问や保护者とのトラブル、
それらを谁に愚痴ることも、谁に报われることもなくこなし続けている。
だから私は、これまでの功绩を考えれば、
この程度の悪事を差し引いても、まだ悪人とはなり得ないのだ。
世の中、うもくやったヤツだけがのさばれる。
うまくやれないヤツはいつまでも利用され続けてくたばって死ぬ。
ただそれだけのことで、俺はその当たり前の原理ってヤツを、
森谷毬枝に特别授业で教えてやってるだけじゃないか。
……それに気付けないヤツは、生涯を谁かに支配され、
屈服して生き続けていくしかない。诈取され続けて当然なのだ。
……とにかく、毬枝はまだ従顺だ。
……いつもひと気のない旧校舎のトイレに呼び出しているが、
场所を変えて呼び出すことも可能だろう。
ひと気も证拠も何もないところにうまく呼び出して、绝