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生肉存放处

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IP属地:广东来自Android客户端1楼2023-12-08 19:27回复
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    目覚め編
    第2話 目が覚めたら悪役令嬢でした~sideクラリス~
     目を覚ましたら、くすんだ天井が視界を占めた。
     ん?
     くすんだ天井? ? 私が住んでいる場所は築一年のアパート。天井は真っ白で綺麗だった筈。
     ちょっと待って、ここは何処?
     私はベッドから飛び起き、恐る恐る周囲を見回す。汚れた小さな窓とボロボロの木の壁、薄汚れた床。
     起き上がって歩いてみると、床がギシギシと音が鳴る。
     どう見ても物置部屋だ。いかにも使わなくなった古びた家具や雑貨が乱雑に置かれている。
     いやいや、私の部屋はカーテンの色はピンクだったし、ベッドの横にはクマのぬいぐるみが置いてあったはず。
     だけど今、目の前にある現実は、立て付けの悪そうな窓から隙間風が入って来る物置部屋。
     応接セットも置いてあるけれど、よく見たらソファーの布はすり切れて色褪せ、テーブルも傷だらけ。使わなくなった応接セットを私の部屋に置いてあるだけなのだ。
     クロゼットを開けると、ぎぎぎっと音が部屋に響く。
     色褪せたワンピースドレスを着ながら私は、現在の自分自身の名前を思い出す。
     私の名前は山本穂香……じゃなくて、クラリス=シャーレットだ。
     あれ?
      クラリス=シャーレットって、どこかで聞いた名前のような? ?
     私は前世で亡くなる直前、読もうとしていた小説のことを思い出す。
     “運命の愛~平民の少女が王妃になるまで~”という物語。
      主人公のミミリア=ボルドールは、平民の少女だったけれど、女神に選ばれた聖女の証である薔薇の痣があった為、男爵家の養女となる。
     女神に選ばれた聖女は、民に崇められる存在だから、平民という身分ではあってはならなかったのだ。
     男爵家の娘として貴族が通う学びの場、ハーディン学園に入学したミミリアは、そこでアーノルド王子と出会い、恋に落ちる。
     アーノルド王子の婚約者であるクラリス=シャーレットはそれを知り、ミミリアに嫌がらせをするようになる。そして虐めがエスカレートした結果、しまいには彼女の命を狙うようになる。
     アーノルドは舞踏会の場で、そんなクラリスの悪行を咎め、婚約破棄を言い渡す。
     そしてミミリアこそが、真の婚約者であることを宣言するのだ。
     一方、アーノルドの異母兄、通称『馬鹿王子』であるエディアルド王子は優秀な異母弟に劣等感を抱いていた。
     しかも自分が思いを寄せていたミミリアが、アーノルドと恋仲であることを知り、憎悪を抱くようになる。
     そんなクラリスとエディアルドに力を貸すのは、魔族の皇子ディノ。
     生来から優れた魔術の能力があったクラリスは、ディノから闇の魔力を与えられ、絶大な力を得る。そして彼女は『黒炎の魔女』の二つ名で呼ばれるようになり、人々から恐れられるようになった。
     剣の才覚があったエディアルドには、光を切り裂く黒炎の魔剣を与えられ、『闇黒の勇者』と恐れられるようになった。
     黒炎の魔女クラリスと闇黒の勇者エディアルドは、魔物の軍勢を率いて王城に攻め込んだ。そしてクラリスは黒炎を放ち、ミミリアの身体を焼こうとするが、アーノルドが彼女を庇って深手を負ってしまう。
     瀕死のアーノルドを見て、エディアルドは魔剣でアーノルドにとどめを刺そうとする。
     愛する人を失いそうになる悲しみに、ミミリアの聖女としての力が覚醒。
     クラリスが放った黒い炎は、ミミリアが放った聖なる光によって打ち消され、さらに重傷だったアーノルド王子の身体も全快する。
     エディアルドは復活したアーノルドに聖剣で心臓を貫かれ絶命した。
     二人に闇の力を与えた魔族の皇子、ディノはミミリアが放った聖なる光によって力を失い、エディアルドと同様、アーノルドによって聖剣で心臓を貫かれ絶命した。
     クラリスは騎士達に取り囲まれたが、捕らえられる直前、自らの身体を燃やし自害をした。
     そしてミミリアとアーノルドは身分の差を超え結ばれたのであった。めでたし、めでたし
     全っっ然めでたくない!!
     その時になって私はようやく、現世の自分が何者か自覚することになる。
     クラリス=シャーレットと言えば、“運命の愛~平民の少女が王妃になるまで~”という小説の中では、黒炎の魔女と呼ばれる悪女だった。
     いやいやいや、これは偶然……あの小説のクラリスとは限らない。同姓同名というだけで別人だって可能性もある。
     でも現世の記憶を辿れば辿るほど、私はあの小説に登場するクラリス=シャーレットであることを自覚させられる。
     家族の名前も一緒だし、住んでいる国はハーディン王国だし。


    IP属地:广东来自Android客户端2楼2023-12-08 19:28
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       ただちょっと小説と違うのは、今住んでいる部屋がすごく簡素な……簡素どころか粗末な所だ。それに着ている服も、かなりみずぼらしい。侯爵令嬢という地位でありながら、私の生活は決して豊かではなかった。
       主人公はあくまでミミリアだ。
       悪役の実家の詳細なんて描かれていなかった。
       だからって、まさかこんな酷い扱いを受けていたなんて。
       現世のクラリス=シャーレットとしての記憶をほじくり返すと、私は五年前に母親を亡くしている。そして程なくして、後妻とその娘がこの家に入ってきた。
       私は継母とその娘に事あるごとにいびられ、新たな女主人となった継母の命令により、使用人からも冷たくされていた。
       実は苦労人だった悪役令嬢。
       小説のクラリスは、今のような生活に戻りたくなくて、王子の婚約者という地位に固執していたのかもしれない。
       ということは、このままいけば、私は物語においては悪役……ヒロインと恋に落ちた王子様によって、婚約破棄されるってこと!?
       何!? 私って婚約破棄される星の下に生まれたの!? そのあげくに自害って。
       でも待って。
       今の私は十七歳。
         まだアーノルドとは婚約していない筈。
       確か近々そのアーノルドと初めて会うお茶会が催されるんじゃなかったっけ? 小説では、クラリスはアーノルドの最有力婚約候補者として参加したんだけど、アーノルドは来なかった。
       アーノルドは我が侭で傲慢な令嬢であると噂されている、クラリスのことを嫌がっていた。ましてや、そんな令嬢が自分の婚約者候補だったのが耐えられず、顔も見たくなかったのだ。
       今、何時?
       昼の二時……あ、そっか。本を読んでいたら眠くなったから寝ていたんだっけ?
       その時、ノックもなしに部屋に入って来た人物がいた。
       私と同い年だけど、生まれたのが二ヶ月遅かったので妹になるナタリー=シャーレットだ。
       彼女と私は異母姉妹。
        ブラウンのロングヘアはふわふわのカールがかかっていて、ブラウンの目は丸くて大きい。
       ナタリーは父の後妻であるベルミーラの子、私は亡くなった前妻の子供なのだ。
      「お姉様! さっきお父様から聞いたわ! 王妃様のお茶会にお呼ばれされているんでしょ!? 私も連れて行ってよ!!」
      「……」
       この娘の声って一体何デシベルなの? 耳がキーンときたわ。
       私の悪い噂の原因である異母妹、ナタリー。
       いつも彼女の我が侭に振り回されている。今の発言も彼女の我が侭だ。
       お茶会に正式に招待されているのはあくまで私だ。主催者側に断りもなく、勝手に妹を連れて行けるわけがない。
       侯爵家当主であるお父様とその夫人であるお義母さまも招待されているから、自分だけ招待されていないのが不服なのだろうけど。
      「駄目よ。あなたは招待されていないのよ」
      「あら、私が一人増えたところで問題ないでしょ?」
       可愛らしく小首をかしげてみせるナタリー。
       顔は人形のように可愛らしいんだけどね。あざとさが前面に出ちゃっています。
       私は溜息交じりに異母妹を諭す。
      「事情があって家族を一人連れていなかければならない時は、主宰者側の許可がいるのよ。今から王室に許可願いを出しても間に合わないわ。親しい人のお茶会とは違うんだから」
      「何よ、婚約者候補に選ばれたからっていい気になって!」
      「王室から正式に招待されたのは私なのよ? 仕方がないでしょう?」
      「姉様のケチ!! 本当に我が侭なんだからっっ!!」
       我が侭はどっちなんだか。
       ナタリーは憤慨して、ドアを乱暴に閉じた……貴族の女性として、はしたないわね。
       私はお母様が亡くなるまでは幼い頃から徹底的に淑女の立ち振る舞いを叩き込まれた。だけど、ナタリーの母親はそういったマナーの心得を熱心に娘に教えようとはしない。
       この分だと、じきにお父様が来るわね。
       私は溜息をついて、所々に罅が入っている三面鏡の前に立つ。
       やぼったい髪型だけど、紅の髪の毛は背中までのびている。前髪を掻き上げると見えるのは、ややつり目だけど大きいピンクゴールドの瞳、ぬけるような白い肌。
       普段は前髪で目が隠れちゃっているから、かなり地味な印象だけど、こうして見るとお人形さんみたいじゃない。
       前髪をあげた状態で、鏡越し自分の顔をしげしげと見詰めていた時、乱暴にノックをする音が響き渡る。
       あ、お父様ね。ナタリーに泣きつかれてすっ飛んできたわね。
       ま、ノックをするだけナタリーよりましかも。
      「クラリス!! また我が侭を言ったそうだな。ナタリーをお茶会につれて行かないとは、意地が悪いにも程がある」


      IP属地:广东来自Android客户端3楼2023-12-08 19:29
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        目覚め編
        第3話 悪役令嬢の知られざる実情①~sideクラリス~
        「クラリス!! また身勝手な事を言ったそうだな。ナタリーをお茶会につれて行かないとは、意地が悪いにも程がある」
         …………私の父親って何歳だっけ?
         えーと、確か四十歳か。いい大人よね。どう考えても。
         あんたも貴族の一員だったら、ナタリーを連れて行けないことぐらい分かるでしょ?
        泣きついたナタリーに、頭に血が昇っているのね。
        「お父様、ですが急に人数を増やすことは出来ないでしょう? 私しか招待されてないのですよ?」
        「……っっ!?」
         冷静に答える私に、父親は目を剥く。ああ、まさか口答えされるとは思っていなかったか。まぁ、記憶が蘇る前は理不尽には思っていたけど、言い返すほどの勇気がなかったものね。
        「だ、黙れ!! だ、だったらお前の代わりにナタリーを連れて行くっっ!! アーノルド殿下だってお前なんかより可愛らしいナタリーの方が良いと思うに決まっているからな」
         こんな調子でね、最終的には私が悪いってことにされるの。
         小説にもお茶会の描写があったけれど、まさかこんな裏舞台があるとは知らなかったわ。
         本編には書かれていない悪役令嬢の実情ってとこね。
         小説では確かお茶会には、クラリスが行った筈だけど、この状況でどうやって私が行くって事になるのかな? あ、もしかして私が口答えしちゃったから、流れが変わったのかも?
        だったらチャンスじゃない!?
        小説の展開と違うの行動を取ればいいんだっっ!!
        「承知しました。お父様。王妃様のお茶会に愚昧な私では荷が重いと思っておりました。是非っ!! 私の代わりにナタリーをお茶会に出席させてくださいませ」
        「む……むう。やけに聞き分けがいいな」
         殊勝な私の態度と、是非という言葉を強調したことで、有無を言わせないようにした私の答えに、お父様もこれ以上何も言えなくなった。ふう、単純な人で助かったわ。
         今回は王妃様主催の、王族の婚約者候補が招待される重要なお茶会。普通のお茶会と違って、勝手に代役を立てていいわけじゃないのだけど。お父様、そこの所は、ちゃんと分かっているのかな――ま、どうなっても知らないけどね。
         お母様が亡くなって、程なくして後妻としてここに来たのが、ベルミーラ男爵令嬢。既に同い年の妹、ナタリーもいたのよ。つまり母と結婚しておきながら、彼女も愛人にしていたってことね。
         そのベルミーラが来てからは、前妻の子供である私は蔑ろにされるようになり、父親にも相手にされなくなって、使用人からも無視されるようになった。
         初めて私に与えられた一人部屋は、かつて物置だった場所。天井も壁紙もくすんでいて、部屋全体も薄暗い。
         ベッドもギシギシと鳴る古いもの。
         一方ナタリーは広い部屋を与えられ、部屋の中には可愛い縫いぐるみや、オモチャも置いてあり、沢山の本もプレゼントされていた……あ、本だけはいらないって言って、私にくれたけどね。お陰で読書には事欠かないし、買ったらお高い魔術書もすぐに手に取ることができる。
         でも本当に助かったわー。
         どうせお茶会に行ったところで、アーノルド殿下は仮病で欠席なんでしょ? そんなの行ってられないわ。馬鹿らしい。
        「お嬢様、お水とお茶菓子を持って参りました」
         ドアをノックしてから入ってきたメイドのカーラ。
         お盆の上にはコップ一杯の水と生の芋が乗ったお皿。
         前世のサツマイモとよく似たイモ。紫色の皮で細長い。もちろんだけど、生で食べるものじゃない。
        「たっぷり召し上がってくださいませ」
         意地が悪い笑みを浮かべ、机の上にお盆を乱暴に置くメイドのカーラ。
         あーあ、コップの水が零れているじゃない。
         私はにこやかに笑って言ったわ。
        「ありがとう、カーラ」
        「……」
         戸惑う表情を全く見せない私にカーラは眉を寄せる。あら、期待に添うリアクションが出来なくて悪かったわね。
         彼女は「何よ、どうせ残すくせに」と小声で吐き捨ててから、部屋を出て行った。
         記憶が蘇る前だったら、この生のサツマイモ(みたいなイモ)を、焼くという発想すらなかった。出されたものを我慢して囓っていたけど、前世の記憶が蘇った以上、そんなことはしないわよ。
         私はイモに向かって人差し指を向け、炎を呼ぶ呪文を唱える。
        「ミリ=フレム!」
         次の瞬間、お皿にのったイモは小さな炎に包まれてパチパチと音を立てながら程よく焼かれていく。
         うーん、いいにおいになってきたわ。
         魔力も加減しているから、狙い通りほどよい焼き加減になったわ。
         美味しそうな焼き芋、いただきますっっ!!
        一口食べるとほくほくした食感、あまーい味わいが口いっぱいに広がって幸せ~。


        IP属地:广东来自Android客户端4楼2023-12-08 19:39
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           あー、せっかくだから、お水じゃなくて、お茶も欲しいわよね。
           メイドたちはどうせ私のことを無視するから、自分で入れることにしよう。
           私は厨房に行くと怪訝な顔をする料理人たちを尻目に、棚からティーカップとティーポットを手に取った。
           料理長が苦々しい顔をして私に言ってきた。
          「お嬢様、勝手に厨房に入られたら困りますよ。お茶を飲みたいので有ればメイドにでも言って」
          「そのメイドが私のことを無視するので、私が自分でお茶をいれているのですが?」
           じろりと鋭い眼差しを向けると向こうはたじろぐ。まさか私がそんな反抗的な返しをしてくるとは思わなかったのだろう。
          「いや……だけど……お嬢様じゃ紅茶を入れることはできないはず」
           そうね、料理人たちは私が紅茶をいれる所なんて見たことがないでしょうね。お茶の入れ方はお母様から叩き込まれたし、前世でも紅茶に凝っていた時期があったからお手のものだ。
           ただ自分で厨房に行ってわざわざティーセットをとってくるという発想まではなかった。お茶をいれる一つにしても、結局お母様が生きていた時は、全部使用人にお膳立てしてもらっていたのよね。
           私はにっこり笑って料理人たちに言った。
          「ご心配には及びません。お湯をいただけるかしら?」
           料理人達は戸惑いながら顔を見合わせる。やがて一番年若い料理人が、恐る恐ると湯が入ったケトルを私に手渡した。
           ティーポットに湯をそそぎ、それをお盆の上にのせる。それとティーカップも。
           手慣れた様子でお茶の準備をする私に、料理人達は呆気にとられる。ちなみに料理長は、悔しげに舌打ちをしている。
           砂糖とミルクもトレイの上にセットして、あとはこれを部屋に運ぶだけ。
          「あ、あぶないから私が持ち」
          「馬鹿……お嬢さんの手助けをしたら、俺が奥様に罰せられるっっ」
           手伝いを申し出る料理人を、料理長が慌てて引き止める。
           そうね、私に味方をした使用人は、全員、お義母さまに解雇されたんですものね。自分も二の舞にはなりたくないのだろう。
          「大丈夫。一人で持てるわ。気遣ってくれてありがとう」
           私は手助けをしようとしてくれた料理人に笑いかけた。
           彼は料理長の後ろで、照れくさそうに笑っている。まっすぐな目をしたいい人ね。
           それに比べ、料理長の目は淀んでいるわ。前世にもいたわ、ああいう人。自分の考えがなくて、上に媚びてばかり。お義母さまにとっては、自分の命令どおりに動いてくれる都合がいい人。
           生の芋を用意したのもこの人だ。昨日のお茶菓子は日にちがかなりたったケーキだったわね。
           食事も私のスープだけ薄かったり、反対に辛かったり、それならまだいいけど、泥がついたサラダには参ったわよ。
           全部、義母とナタリーの命令で、あの料理長が用意したのよ。
           料理に不服を言うと「何て我が侭な子なんだ!!」って、お父様に怒られるのがオチだから、文句を言わずに食べることにしているわ。
           だけど泥がついたサラダはさすがに食べるわけにいかないから、自分で洗いに行ったわよ。使用人たちがそんな私の姿をせせら笑い、お父様は食事中に立ち上がるなんて行儀が悪いって怒るし。
           部屋に戻った私は、お茶を飲みながら、今日の夕食もそんな食事をしないといけないのかと思うとうんざりした。
           あ、そうだ。
           ナタリーから貰った魔術書に書いてあったわよね?
          汚れや菌を取り払う清浄魔術、クリアード。
           あれが使えるようになれば、わざわざ洗いに行かなくてもいいじゃない?
          私はさっそく床に積み上げている本を手に取り、黙々と読み始めた。
           ふむふむ、対象物が綺麗になるイメージを思い浮かべ、クリアードという呪文を唱えることで、身体に備わる魔力をエネルギーに魔術を発動させるわけね。
           とりあえずこの飲み終えたティーカップを綺麗にしてみようかしら?
          「ピュア・クリアード」
           試しに唱えてみるとティーカップ汚れがたちまち消える。
           お茶を飲んだ形跡が一つも無い。ただ、綺麗にはなったけど、まだくすみが残ってるかな?
           魔術を発動させるには掌に魔力を集中させる必要があるのだけど、集中させる魔力の量が少なかったかな。
           とりあえずもう一回やってみることにしよう。時間はいくらでもあるのだから。
          「ピュア・クリアードッ!」
           魔力を集中させすぎたのか、今度は新品同様に綺麗になってしまった。あ……そうだ、この魔術を使って色んな所を綺麗にしてみようか。
           例えばベッドのシーツとか枕、それにほこりっぽいカーテンも!
          私はお掃除を兼ねて、清浄魔術の練習をすることにした。お陰様で部屋の中はピカピカ……という程じゃないけれど、埃も消え去ったから、スッキリしたわよ。
           その時私の腹時計が、夕食の時間を知らせてきた。
           使用人が呼びに来ることはないから、自


          IP属地:广东来自Android客户端5楼2023-12-08 19:41
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