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伊坂幸太郎访谈译文03 《恐妻家》出版纪念专访

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原文刊载于角川书店官网
『グラスホッパー』『マリアビートル』に続く伊坂幸太郎の代表作〈殺し屋シリーズ〉の第三弾、『AX』が刊行される。
继《蚱蜢》《杀手界·疾风号》后,伊坂幸太郎的代表作“杀手系列”的第三部《恐妻家》就要发行了。
今回のインタビュアーは、KADOKAWAの文芸単行本編集長・三宅信哉。
今天的采访者,是角川文库的文学单行本主编,三宅信哉。
ちなみに、作中で明かされる殺し屋ネーム「兜」の本名は、「三宅」。……これは偶然か必然か!?
顺带一提,这部作品中出现的名字为“兜”的杀手本名是,三宅。……这到底是不是巧合呢!?

── : 『AX』は累計二二〇万部突破の〈殺し屋シリーズ〉、およそ七年ぶりとなる新作です。主人公は、シリーズ初登場となる殺し屋の「兜」。彼は殺し屋でありながら恐妻家でもある、という点が読みどころですね。この設定を着想した経緯を教えていただけますか。
──:《恐妻家》是累计销量突破220万部的「杀手系列」时隔大约七年的新作。主人公是初次在这个系列中登场的杀手「兜」。他既是杀手却又非常怕老婆,这是个值得一读的点呢。这个设定是怎么想到的?
伊坂: きっかけは今、僕に質問してくれている三宅さんとの雑談です(笑)。「AX」(第一編)の冒頭で、兜が檸檬と蜜柑(シリーズ前作『マリアビートル』に登場した殺し屋コンビ)を相手に「恐妻家は夜食で何を食べるか?」という話をしますよね。カップラーメンは包装しているビニールを破るところから食べるところまで意外と音がうるさいから、寝ている妻に怒られる。「最後に行き着くのは、魚肉ソーセージだ」と。あのエピソードって、三宅さんから聞いた話ですからね。「究極的には、魚肉ソーセージなんですよ!」って言われて、可笑しくて。あっ、実体験ではなく、想像ですか?
伊坂:契机是和现在访问我的三宅先生的聊天(笑)。《恐妻家》第一部分的开始,兜向柠檬和蜜柑(系列第二部《杀手界 · 疾风号》里登场的杀手搭档)问道「怕老婆的人夜宵都吃什么呢」这样的问题。因为杯面的塑料包装被撕破到开吃的这段时间,不留神发出的声音会很吵,从而惹怒本在熟睡的妻子。书里这么写道「正解是,鱼肉香肠」。这个情节是从三宅先生那里听来的。「最终的选择还得是鱼肉香肠啊」,听到这个后就觉得很搞笑。啊,他应该不是亲身体验过,是想象吧!
── : もちろんです。実体験のはずがありません。
──:当然啦。怎么可能是真的。
伊坂: 実体験としか思えない迫力で語ってくれたそのエピソードに、ものすごく感動したんですよね。その場で盛り上がって、僕が「恐妻家の殺し屋がいたら面白いですよね」とノリで喋ったら、本当に書くことになっちゃった。
伊坂:那段用只会让人觉得是亲身体验的语气说出来的情节,深深打动了我。趁着当时的气氛,我说「如果有个怕老婆的杀手的话应该很有趣吧」,结果就真的写出来了。
── : まずは短編を一本ということで、若い編集者が正式に依頼しました。伊坂さんから「もっとエピソードが欲しい」というリクエストがあり、僕のほうで恐妻絡みのエピソードをメモにしてお送りしました。
──:年轻编辑正式向伊坂提出了委托,希望他写一部短篇。伊坂老师说「想要更多的小故事」,我就把怕老婆有关的故事记下来发送过去了。
伊坂: 「三宅メモ」と呼んでいました(笑)。当時は震災のすぐ後だったし、楽しいものしか書きたくないなと思っていたからちょうど良かったんですよね。単に殺し屋の話だとキツいけど、魚肉ソーセージの話は楽しいし誰も傷つけないじゃないですか。あと、三宅メモがすごくいいなと思ったのは、「私は妻に怒られないよう家ではこういう言動をしています」といったことが告白調の文体で書かれてあるんですけど、読んでいると「奥さんの悪口を言いたいわけじゃない」ってことが分かるんですよね。自虐的ではあるけれども、いい話なんですよ。
伊坂:那时我叫它为「三宅备忘录」(笑)。当时大地震刚过后,只想写一些有趣的东西,收到这个真是太好了。单单是杀手的故事有点严肃,加点鱼肉香肠的故事的话就很有趣,不会伤害到别人。而且我觉得「三宅备忘录」特别好,「我是作为不惹怒妻子的专家如此行动的」,像这样用告白式的文体写作,在读了之后你才了解到「我可没有想说我妻子坏话哦」。虽然有点自虐的味道,但是个好故事。
── : 想像です……。
──:这是想象的啦……
伊坂: この小説を書いているときも、奥さんが本当に「怖い人」とか「悪い人」だと、駄目になっちゃうなあ、と思ったんです。あくまでも「夫が気を使い過ぎている」となったほうが楽しいじゃないですか。だから全体の雰囲気は、シチュエーションコメディっぽくなった。とりあえず、兜を主人公にして、続きの短編も書くことにしたんですが、最初の三作まではコメディの雰囲気が強いと思います。
伊坂:写这部小说的时候我也在想,如果妻子真的是「恐怖的人」或者「坏人」的话就不好了。倒不如始终保持是「丈夫过度用心」的话会更加有趣一些。所以小说整体氛围变成了情景喜剧一样。总之,虽然全书将兜作为主人公,持续地写着故事,但最初的三篇喜剧感会比较强。
── : おっしゃる通りですよね。妻に「夕飯はトンカツにするね」と言われてトンカツを食べる気満々になったところで、「やっぱりそうめんにするね」と。兜が「俺も、そうめんくらいのほうがいいように思っていたところなんだ」と即答する場面は、我がことのように身につまされて……いえ、笑いました。
── :如你所说。妻子说「晚饭吃炸猪排吧」,让兜满心想吃炸猪排的时候,突然又说「还是吃素面吧!」兜会马上回答「我也刚刚觉得素面更好呢」,这种场面就好像我自己身上发生的事情一样,令我发笑。

伊坂: 「妻の話を聞いていないと思われないように、オーバーリアクションで聞くが良し」とか(笑)。三宅メモに加えて、まぁ僕自身の経験も入っていますからね。妻に対しては何事も「大変だね」ってねぎらうことが大事だなって……あっ、僕も想像ですけど!
伊坂:「不能让妻子觉得我没在听她的话,所以最好做出夸张的反应」这样(笑)。在三宅备忘录的基础上,我也加入了自己的心得。面对妻子,无论什么事都要说「真是辛苦啊」这样来慰劳她是很重要的。……啊,虽然这也是我的想象啦!
── : でも、今出たエピソードって過剰ではあるかもしれないけど、人づきあいの基本でもありますよね。
── :不过,虽然现在写出来的小故事表现得可能有些过头,但也这也是人际交往的基础啊。
伊坂: そう思うんですよ。この小説で書いていることって、恐妻家と妻の関係に限定されることではなく、人と人とのコミュニケーションの問題だと思うんです。あまり踏み込まない、表層的なやり取りって大事ですし(笑)。
伊坂:是的。写这小说的时候,并不局限在恐妻家和妻子的关系,人和人的交流也一样。不太过深入,仅停留在表面的肤浅对话也是很重要的(笑)。
── : これ以上は誤解を招きそうですから、具体的な内容について詳しく伺わせてください(笑)。
——:再多说点可能就要引起误解了,具体内容请去看书吧(笑)。
省略している部分に 書き手の個性が出る / 省略的部分也能突出作家的个性
── : 兜は、昼は文房具メーカーの営業として働き、休みの日は庭にできたスズメバチの巣を退治する。殺し屋の仕事を仲介するのは医師で、病院の診察室で依頼を受ける場面もありますよね。これまで以上に、日常が描かれる度合いが多かったんじゃないかな、と。これは意識されていたんでしょうか。
──:兜白天是做文具厂商的销售工作,休息日的时候在庭院清理马蜂窝。介绍杀手工作的是一位医生,也有在医院诊室里接受委托的场景。我认为对日常生活的描写比以往任何时候都多,是特意这样的写吗?
伊坂: 恐妻家の設定を決めた時点で「家族」の話が多くなるから、必然的にそうなっちゃったんですよね。「BEE」(第二編)に関しては、当時ぜんぜんネタがなくて。たまたま床屋さんから庭のスズメバチを退治したという話を聞いて、本人の了承を得て使わせてもらったんです(笑)。ただ、そのエピソードからどう恐妻家の方向に持っていくかは結構悩みました。
伊坂:确定恐妻家的设定的时候,就有很多关于「家庭」的话题,难免会写到这个方面。关于「BEE」(第二篇)嘛,当时完全想不到故事,偶然从理发师那听到清理马蜂窝的事情,获得了本人批准之后我就用了这个故事(笑)。只是,如何从这个小故事引申到恐妻家的方向我那时还是挺烦恼的。

── : 妻はハチの巣を一刻も早く退治してほしいと思っているのか、少し時間がかかってもいいから業者に任せようと思っているのか、本心はどっちなんだろうと兜が言葉の裏を読みまくるんですよね。
──:「妻子是想要我尽快清理掉马蜂窝,还是即便花点时间也还是请专业人士来清理,到底哪个是她的真实想法呢?」兜像这样拼命地解读妻子的话。
伊坂: 奥さんが兜に「頼むから、ちゃんと区役所に連絡してね」と言った後で、「あなたが刺されちゃったら大変だから」と。「心配」とか「つらい」じゃなくて、奥さんが「大変」という言葉を選んでいるところの微妙なニュアンスは、自分でも書いていてくだらなくていいなぁと思いました。
伊坂:妻子在和兜说了「拜托你、好好联系区役所」之后,又说「你要是被马蜂蛰了可就麻烦了」。既不是「担心」也不是「害怕」,而是选择了「麻烦」,这种微妙的语气我也想写下来。
── : 兜は殺し屋として優秀なわりに、敵よりも妻を恐れたりパパ友を強烈に欲したりと、少しとぼけたところもあります。そういった性格設定は、どのように作っていったのですか?
──:兜作为一个比较优秀的杀手,比起敌人更怕妻子,特别想要爸爸友,又有点傻气。这样的性格设定,是怎么写出来的呢?
伊坂: 敵よりも奥さんのほうが怖い、というのは典型的なギャグ、というか、くだらない感じを狙っているだけなんですよね。他の部分に関しては「君はどういう人なんだ?」って想像しながら、書きながら作っていった感じですね。「Crayon」(第三編)は兜がパパ友を作ろうとする話ですけど、この人にとって「友達を作る」というのはこんな感覚なんじゃないかなぁと、想像しながら書いていきました。まあ、常に立ち返るのはやはり、究極の恐妻心理としての魚肉ソーセージですけどね。
伊坂:比起敌人妻子更加可怕,这是一种典型的噱头,也就是说,只是为了有趣而设定的。其他相关的部分是边想象「你是个什么样的人呢?」边写出来的。「CRAYON」(第三篇)是兜找到了爸爸友的故事。对于这个人来说,所谓「交朋友」可不就是这种感觉嘛,如此边想象边写。嗯,经常回想起来,果然鱼肉香肠是究极的恐妻心理啊!
── : 一方で兜は、殺しの依頼を受けた相手がどんな人間で、なぜ殺さなければならないかという事情にはまったく興味がないようですね。
──:另一方面,兜对被委托要杀的人,以及为何要杀掉那个人简直是一点兴趣都没有呢。
伊坂: そこは単に、僕の好みかもしれないです。今までの作品もそうなんですけど、「そこはどうでもいいなあ」「省いたほうがいいなあ」というところが結構あるんですよ。そういう部分はもう考えもしないで、あえて空白にしておきたい、というか。でも、意外にそこが大事だと思う人もいて「なぜ書かれてないんだ?」と怒られることがあるんですよね。でも、僕は僕の好きなように書くしかないから、「ほんと、ごめんなさい」と謝るしかない感じで。ただ、たぶん省略している部分に作家の個性が出るんだと思うんですよね。
伊坂:那可能单纯只是我的喜好。迄今为止的作品也是,「那里怎么样都可以」「省略了会比较好吧」这种时候还是挺多的。那样的部分已经没法仔细考虑了,就想干脆空着吧!但是,出乎意料也有觉得这很重要的人。「为什么不写啊?」这样恼怒的人也有。但是,我只能按我喜欢的方式写,只能道歉说「真的很对不起」。不过,我觉得大概省略的部分也能突出作家的个性吧。


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