<ドクターX>内田有紀&監督・田村直己スペシャル対談「米ちゃんはすごく『ひろみちこ』を気に入っている」【前編】
2021/12/02 18:30
今シリーズで10周年を迎えた、米倉涼子主演「ドクターX〜外科医・大門未知子〜」(毎週木曜夜9:00-9:54、テレビ朝日系)。10周年を記念し、大門未知子(米倉)のよき理解者であり、相棒でもある城之内博美を演じる内田有紀と、10年間、同ドラマの演出を担当している田村直己監督のスペシャル対談が行われた。
同ドラマは、病院組織で数々の騒動を巻き起こしながらも、外科医の本質である手術や治療を成し遂げるため、一切の妥協を許さず突き進む孤高の天才外科医・大門未知子(米倉)の姿を描いたシリーズ。2年ぶりの新作となる第7弾では、100年に1度のパンデミックで新局面を迎えた日本最高峰の大学病院「東帝大学病院」を舞台に、未知子が新たな戦いへと身を投じていく。
対談の前編では、10周年を迎えた気持ちや撮影現場での雰囲気、最強コンビ「ひろみちこ」にまつわるエピソードなどについて語ってもらった。
内田有紀を監督・田村直己が絶賛!
――10周年を迎えた今の率直な気持ちを教えてください。
内田有紀:「ドクターX」が始まった当初は10周年を迎えるとは思っていませんでした。こうして10周年を記念して田村さんと対談するとは思ってなかったので、幸せを感じていますし感慨深いです。
田村直己:(内田とは「ドクターX」の現場が)初対面だったので、どんなふうに役に対してアプローチをする方なのかが全く分からない中で、一緒に博美というキャラクターを作ってきました。この間、有紀ちゃん演じる博美がメインとなる第8話(12月2日[木]放送)を撮影したときも、改めて10年間、博美というキャラをここまで作り上げてきたんだなと感じました。10年間で博美も含めすべてのキャラに深みが出ましたし、それが10年間の重みにつながっているようにも思えます。
――田村さんから現場で内田さんにアドバイスされることはあるのでしょうか?
内田:田村さんとは役について現場で会話をたくさん重ねることはあまりないです。会話が少なくてもお互いが何をしたらいいかというのが分かっていて、10年という期間、ありがたいことにずっと一緒に仕事をさせていただいているので、私の性格から私自身の芝居の特徴というのを理解してくれています。
田村:有紀ちゃんは俺が「こうしてほしい」「こうしたら博美が一番おいしくなる」という考えをちゃんと理解してくれるのが早い。有紀ちゃんもそうだし、レギュラーのみんなもよりよいドラマにするための嗅覚が優れている。よりよいドラマを作るという目標が同じモチベーションで保てていることは何よりもすごいことだとも思います。
10年もたつとキャラクターがドラマの中で成長し、一人歩きする部分があるんです。もちろん中園ミホ先生たちが書く台本は面白いですし、そこをベースにすることに変わりはないのですが、劇中でキャラクターが成長したことで台本上だけでは描き切れないよりリアルな描写を表現することが必要になってきたりもします。
さらに言えば、10年間同じキャラクターを演じることで、それぞれにキャラクターが染み込んでいますから、「このキャラはこれはやらない」「これをやらなければならない」ということも出てくるので、すり合わせるというのが10年間続ける中で一番大変なことだとも思います。
内田:「例えば、西田(敏行)さんが10年かけて作り上げた蛭間院長というキャラクターを、「ドクターX」を初めてご覧になられる視聴者の方へも伝わりやすく演出することが、田村さんがやってくださっていることなんです。シリーズを重ねるごとにみんなに染み付いている完成されたキャラクターをさらにブラッシュアップしていくのという所が結構大変ですよね?
田村:大変なんです…。皆さん、しっかりした俳優さんたちであり、主役を張るような方たちなので、自分の考えも持ってもっている分、「こうしたい」「こう思う」という気持ちも強いんです(笑)。
監督と俳優による「あうんの呼吸」
内田:田村さんが手綱をちゃんと握ってないと、自由がすぎるんですよね(笑)。
田村:監督というよりも…、リーダーという感じに近いかも!
内田:確かに(笑)。「こっちだよ」とみんなを導く船頭のようなポジションです。「ドクターX」という船に乗って、みんなが沈没しないようにバランスを取りながらかじを取ってくれています。今回は2年ぶりということもあり特に田村さん大変だっただろうなと思います。
田村:(船頭という例えについて)有紀ちゃんいいこと言うね~! 有紀ちゃんとか、勝村(政信)さん、遠藤(憲一)さんが僕のやりたいことをよく分かってくださるので、変な方向へいこうとするとちゃんと軌道修正しようと引っ張ってくれるので助かってます。
内田:私も100%の軌道修正はできませんけれど(笑)。全部は助けられないけれど、ある程度は田村さんがどうしたいのかが分かるので、現場の空気や芝居のテンポから「このシーンはここを強調したいのかな」というのを感じるようにして演じています。
田村:十分に伝わっております(笑)。演出だけの意見だけではだめだし、俳優さんたちが自由にやりすぎてもだめだし、お互いのバランスを見ながら共同作業して、すり合わせ続けてきたことが、面白いと思われる作品になったし、面白いキャラクターが出来上がったのかなと思います。監督と俳優のある種の「あうんの呼吸」です!
(そこへ、取材部屋をのぞく米倉の姿があり…)
内田:あそこで未知子が見てる (笑)。
田村:じゃあ、「ひろみちこ」の話に行きましょうか(笑)。
内田有紀が「ひろみちこ」について語る
――「ひろみちこ」という呼び名をご存じだったんですね。
内田:「ひろみちこ」と呼ばれていることは私は知ってました。私が舞台をやっていた時に、私と米ちゃんの2人を好きだと言ってくれているファンの子が、「ひろみちこって呼んでいるんです」と米ちゃんと私が2人で映っている写真を見せてくれたんです。その時に、「ひろみちこ」という響きがポップでなんだかいいし、呼び方がうまいなと思いました(笑)。
米ちゃんはすごく「ひろみちこ」を気に入っていて、田村さんにも現場で「うちら『ひろみちこ』って呼ばれてるんだよ」とうれしそうに話してました。私も「ひろみちこ」と呼ばれるのはうれしいですし、2人のやりとりを楽しみにしてくれている方がいるので、田村さんも熱は入ってますよね(笑)。「もっと(ひろみちこを)やってくれー!」と何度か言われました(笑)。
田村:未知子に対抗できるのは唯一博美だけなので、面白おかしくやっています。第8話では、ひろみちこの回になります。物語の終盤に「ドクターX」らしくないことが起こりますが、最初からひろみちこのシーンが全開になっていて、「ひろみちこ」を撮らなきゃいけないと思わせてくれる回でした(笑)。
内田:ラストの「ひろみちこ」の距離感は、10年という年月が作り出してくれていると思います。
田村:画力のある2人に第8話のゲスト・瀬戸朝香ちゃんが入ってきてくれていい感じになっている。「ひろみちこ」ファンもそうでない人も楽しめる回になってます!
2021/12/02 18:30
今シリーズで10周年を迎えた、米倉涼子主演「ドクターX〜外科医・大門未知子〜」(毎週木曜夜9:00-9:54、テレビ朝日系)。10周年を記念し、大門未知子(米倉)のよき理解者であり、相棒でもある城之内博美を演じる内田有紀と、10年間、同ドラマの演出を担当している田村直己監督のスペシャル対談が行われた。
同ドラマは、病院組織で数々の騒動を巻き起こしながらも、外科医の本質である手術や治療を成し遂げるため、一切の妥協を許さず突き進む孤高の天才外科医・大門未知子(米倉)の姿を描いたシリーズ。2年ぶりの新作となる第7弾では、100年に1度のパンデミックで新局面を迎えた日本最高峰の大学病院「東帝大学病院」を舞台に、未知子が新たな戦いへと身を投じていく。
対談の前編では、10周年を迎えた気持ちや撮影現場での雰囲気、最強コンビ「ひろみちこ」にまつわるエピソードなどについて語ってもらった。
内田有紀を監督・田村直己が絶賛!
――10周年を迎えた今の率直な気持ちを教えてください。
内田有紀:「ドクターX」が始まった当初は10周年を迎えるとは思っていませんでした。こうして10周年を記念して田村さんと対談するとは思ってなかったので、幸せを感じていますし感慨深いです。
田村直己:(内田とは「ドクターX」の現場が)初対面だったので、どんなふうに役に対してアプローチをする方なのかが全く分からない中で、一緒に博美というキャラクターを作ってきました。この間、有紀ちゃん演じる博美がメインとなる第8話(12月2日[木]放送)を撮影したときも、改めて10年間、博美というキャラをここまで作り上げてきたんだなと感じました。10年間で博美も含めすべてのキャラに深みが出ましたし、それが10年間の重みにつながっているようにも思えます。
――田村さんから現場で内田さんにアドバイスされることはあるのでしょうか?
内田:田村さんとは役について現場で会話をたくさん重ねることはあまりないです。会話が少なくてもお互いが何をしたらいいかというのが分かっていて、10年という期間、ありがたいことにずっと一緒に仕事をさせていただいているので、私の性格から私自身の芝居の特徴というのを理解してくれています。
田村:有紀ちゃんは俺が「こうしてほしい」「こうしたら博美が一番おいしくなる」という考えをちゃんと理解してくれるのが早い。有紀ちゃんもそうだし、レギュラーのみんなもよりよいドラマにするための嗅覚が優れている。よりよいドラマを作るという目標が同じモチベーションで保てていることは何よりもすごいことだとも思います。
10年もたつとキャラクターがドラマの中で成長し、一人歩きする部分があるんです。もちろん中園ミホ先生たちが書く台本は面白いですし、そこをベースにすることに変わりはないのですが、劇中でキャラクターが成長したことで台本上だけでは描き切れないよりリアルな描写を表現することが必要になってきたりもします。
さらに言えば、10年間同じキャラクターを演じることで、それぞれにキャラクターが染み込んでいますから、「このキャラはこれはやらない」「これをやらなければならない」ということも出てくるので、すり合わせるというのが10年間続ける中で一番大変なことだとも思います。
内田:「例えば、西田(敏行)さんが10年かけて作り上げた蛭間院長というキャラクターを、「ドクターX」を初めてご覧になられる視聴者の方へも伝わりやすく演出することが、田村さんがやってくださっていることなんです。シリーズを重ねるごとにみんなに染み付いている完成されたキャラクターをさらにブラッシュアップしていくのという所が結構大変ですよね?
田村:大変なんです…。皆さん、しっかりした俳優さんたちであり、主役を張るような方たちなので、自分の考えも持ってもっている分、「こうしたい」「こう思う」という気持ちも強いんです(笑)。
監督と俳優による「あうんの呼吸」
内田:田村さんが手綱をちゃんと握ってないと、自由がすぎるんですよね(笑)。
田村:監督というよりも…、リーダーという感じに近いかも!
内田:確かに(笑)。「こっちだよ」とみんなを導く船頭のようなポジションです。「ドクターX」という船に乗って、みんなが沈没しないようにバランスを取りながらかじを取ってくれています。今回は2年ぶりということもあり特に田村さん大変だっただろうなと思います。
田村:(船頭という例えについて)有紀ちゃんいいこと言うね~! 有紀ちゃんとか、勝村(政信)さん、遠藤(憲一)さんが僕のやりたいことをよく分かってくださるので、変な方向へいこうとするとちゃんと軌道修正しようと引っ張ってくれるので助かってます。
内田:私も100%の軌道修正はできませんけれど(笑)。全部は助けられないけれど、ある程度は田村さんがどうしたいのかが分かるので、現場の空気や芝居のテンポから「このシーンはここを強調したいのかな」というのを感じるようにして演じています。
田村:十分に伝わっております(笑)。演出だけの意見だけではだめだし、俳優さんたちが自由にやりすぎてもだめだし、お互いのバランスを見ながら共同作業して、すり合わせ続けてきたことが、面白いと思われる作品になったし、面白いキャラクターが出来上がったのかなと思います。監督と俳優のある種の「あうんの呼吸」です!
(そこへ、取材部屋をのぞく米倉の姿があり…)
内田:あそこで未知子が見てる (笑)。
田村:じゃあ、「ひろみちこ」の話に行きましょうか(笑)。
内田有紀が「ひろみちこ」について語る
――「ひろみちこ」という呼び名をご存じだったんですね。
内田:「ひろみちこ」と呼ばれていることは私は知ってました。私が舞台をやっていた時に、私と米ちゃんの2人を好きだと言ってくれているファンの子が、「ひろみちこって呼んでいるんです」と米ちゃんと私が2人で映っている写真を見せてくれたんです。その時に、「ひろみちこ」という響きがポップでなんだかいいし、呼び方がうまいなと思いました(笑)。
米ちゃんはすごく「ひろみちこ」を気に入っていて、田村さんにも現場で「うちら『ひろみちこ』って呼ばれてるんだよ」とうれしそうに話してました。私も「ひろみちこ」と呼ばれるのはうれしいですし、2人のやりとりを楽しみにしてくれている方がいるので、田村さんも熱は入ってますよね(笑)。「もっと(ひろみちこを)やってくれー!」と何度か言われました(笑)。
田村:未知子に対抗できるのは唯一博美だけなので、面白おかしくやっています。第8話では、ひろみちこの回になります。物語の終盤に「ドクターX」らしくないことが起こりますが、最初からひろみちこのシーンが全開になっていて、「ひろみちこ」を撮らなきゃいけないと思わせてくれる回でした(笑)。
内田:ラストの「ひろみちこ」の距離感は、10年という年月が作り出してくれていると思います。
田村:画力のある2人に第8話のゲスト・瀬戸朝香ちゃんが入ってきてくれていい感じになっている。「ひろみちこ」ファンもそうでない人も楽しめる回になってます!