我はゴーレムなり。
ゴーレムアイを使いこなすために、パンダを探して旅立った修行中のゴーレムなり。
{ログ:ゴーレムアイというスキルはありません}
そう、まずはゴーレムアイを開眼しなくてはダメだ。
そのためのパンダ探し。がんばろう。
急いで出てきてしまったので、持ち物はあまりない。
ないわーポーチに入っているものだけだ。お金は銀貨3枚と銅貨が7枚。特にお金を使うことがないのでお金はあまり持っていない。あとはノートと筆記具、ブラックカードだけだ。
まぁ、これだけ持っていれば十分だろう。
我は食事もいらぬし、衣服もいらぬメタルゴーレム。
身体を磨くためのブラシか布はどこかで買えばよい。
◇◆◇◆◇
街道を歩みつつ我は考える。
パンダはどこにいるのだろう。
獣人たちの大陸チャオオイにはいなかったと思う。
少なくとも見ていない。クマやクマの獣人はいた気がする。
・・・・・・うむ。
大切なのは、パンダを探しているということを常に忘れないこと。
我はノートを取り出して、「パンダを見つける」とメモる。
常に心にパンダを思っておけば、いつか出会える。
パンダを呼ぶ心がパンダを引き寄せるはずだ。
迷うな、我。
この道の先にパンダはきっといる!
◇◆◇◆◇
久しぶりの一人旅だ。
国外に出るのも久しぶりな気がする。
すでにゴーレムキングダムからは出た。
何日も何日も我は歩き続けている。
ここに来て、分かれ道だ。道が北と南に分かれている。
まっすぐ行こうと思っていたのに。我の行く手を分かれ道が惑わせる。
北、南。どちらに行けばいいだろう。
こんなことなら、もっと地図を見ておけばよかった。
まぁ、どっちに行こうかわからないなら、どっちに行っても同じ事だ。
我はとりあえず北かなと思い、北側に足を踏み出そうとした。
待て。
待て待て。
待つんだ、我。
パンダは道の先にいるのか?
パンダは珍しいから、パンダなんだよ。
ただの道の先にパンダはいないはずだ。
北か、南にしか道が続いていなくとも、まっすぐ西に進めばいいじゃない。
道なき西に進む。我が歩いた後が道になる。
うむ、そうだ。
ここはまっすぐ行こう。
我は街道に別れを告げ、西に向かって歩き出す。
◇◆◇◆◇
ふぅ。
道なき道を進めば進むほど、道が険しくなっていく。
どんどん山を登っている気がするな。
周りには笹もない。
こんなところにはパンダはいないだろう。
パンダを見つけるのは難しい。
◇◆◇◆◇
さらに険しい山を登っていくと天辺が見えないそびえ立った岩山が目の前に現れた。
なんだ、この岩山は?
この岩山を避けて、先に進むのはたやすい。
しかし、それでいいのか?
厳しい道を避けた先にパンダはいるのか?
楽な道を歩いていてパンダを見つけられるのか?
答えは否だ。
我はまっすぐ行くと決めた。
この岩山の上に、パンダはまずいないだろう。
いないだろうからと避けていくのは正しくない。
万が一ということもある。
我は目の前にそびえ立つ岩山を見上げる。
・・・・・・高いな。
まぁ、落ちてもこのメタルボディなら死ぬことはないので、登ってみよう。

◇◆◇◆◇
ごつごつした岩山を我は少しずつ登っていく。
時折、風の精霊がなにしてるのと尋ねてくる。我は片手を岩山のまだ見えぬ天辺を指さす。
そこに岩山があるから、我は登っているのさ。
がんばってねーと風の精霊は去っていく。
まったく精霊は自由だな。風の精霊はその中でもさらに自由だよ。
やれやれと思いながら我はもくもくと岩山を登る。
◇◆◇◆◇
おかしいな。
天辺が見えない。夜が2回ほど過ぎたから、3日ほど登り続けていると思うのだが、どこまで続いているのだろう。
ただ一つ言えるのは、こんなところにパンダはいない。
なぜなら、笹がないからだ。
笹がないところにパンダは住めぬ。
我はそれだけは確信しつつ、さらに岩山を登る。

◇◆◇◆◇
ようやくだ。
ようやく天辺が見えてきた。
なんだこの岩山は。
高いなんてモノじゃない。めっちゃ高いよ!
我はこの理不尽な高さの岩山に憤りを覚えつつ、なんとか岩山の天辺に辿り着いた。
ふぅ、と額の汗をぬぐう。ゴーレムだから汗はかかないけど。
我は岩山の天辺を見渡す。思ったよりも広い。
そして、なぜか緑が豊かだ。
なんでだ?
もっとごつごつした岩肌があるだけだと思っていたのに。
はぅあ!?
あっ、あれは!!?
{ログ:【悟りしモノ】の効果により、衝撃状態が解消しました}
我はおそるおそる足を進める。
これは・・・・・・目の前にあるのは、笹ではないか!
まさか、こんな岩山の上に笹があるとは。
あれか、我の思考の裏をかいて、まさかパンダがここにいるのか。
我はゴーレムアイを発動させ、周囲にパンダがいないかを探す。
{ログ:ゴーレムアイというスキルはありません}
残念ながら、ゴーレムアイにはパンダの姿は捉えられなかった。
{ログ:ゴーレムアイというスキルはありません}
我はがっかりしつつも、笹をかき分けて進んでみる。
すると小さな小屋があった。こんなところに小屋があるとは。
もしかして、人がここに住んでいるのか?
我は小屋の戸をコンコンとノックしてみる。
「あいあい。どちらさまで」
!?
おぉ、人がいるようだ。
戸ががらりと開いた。
そこには、白いヒゲが立派な小柄なおじいさんがいた。
「ここに客人とは珍しいな。しかも銀色の人形とは・・・・・・このような年寄りになっても驚くことがあろうとはのう。それで、何用かな、銀色の人形よ」
我はぺこりとお辞儀をし、ないわーポーチからノートを取り出し、パンダの絵を描いた。
我はパンダの絵を示しつつ、パンダを知らないかとおじいさんに尋ねる。
「むぅ、これは、なんじゃ?
動物? 白と黒? むぅ、熊のようにも見えるな」
我は必死にパンダを探していることをおじいさんに伝える。
笹を食べているパンダの絵を描いたりして、ここにある笹がパンダの主食だということを伝えるのも怠らない。

我が必死に伝えたところ、おじいさんは何かを思い出したように、ぽんと手を叩いた。
「おぉ、そういえば、ワシが下界にいたころ、このような熊を見たことがあるような気もするのう」
なんと!?
このおじいさんはパンダを見たことがあるのか!
我はパンダに近づいたことに気持ちの昂ぶりを覚えつつ、パンダはどこにいるのかをおじいさんに尋ねる。笹を手に持ち、このような笹があるところに生息しているはずだと必死にアピールした。
我の思いが伝わったのか、おじいさんはふむふむとうなずいた。
「これか? これはワシの故郷にあった笹じゃよ。何本か持ってきたら、このような生い茂ってしもうたのじゃ」
我はおじいさんの言葉に確信を得た。
間違いない! このおじいさんの故郷にパンダはいる!
我はその後、何とかおじいさんの故郷について教えてもらえるようにジェスチャーで必死に伝えた。
「なんじゃ、ワシの故郷に行きたいというのか。どのあたりじゃったかな。長いことここに住んでいるので、ちと思い出すのに時間がかかるぞ」
我は急ぐ心を抑えながら、おじいさんに構わないと伝える。
おじいさんが故郷を思い出すまで我はしばしこの家にやっかいになることになった。
◇◆◇◆◇
白いヒゲが立派な小柄なおじいさんの話しを聞いてみると、なんとこのおじいさんも人生の修行中ということらしい。
「ワシもまだまだ修行中の身じゃよ」と笑っていた。
こんな歳をとっても修行中とは、そうとう才能がなかったに違いない。
落ち込むな、我もまだまだ修行中だとおじいさんを励ました。
残り少ない余生だろうから、悔いなく生きて欲しい。
我はおじいさんの小屋を掃除しつつ、おじいさんが故郷を思い出すのをじっくりと待った。
◇◆◇◆◇
ようやくおじいさんが故郷を思い出した。
というよりも、故郷へと案内をしてくれる杖を準備してくれたらしい。
我はおじいさんから杖を受け取る。
竹で出来たこの杖は、立てた状態から倒すことで故郷の方に倒れるとのことだ。
なんという便利杖。もちやすいようにやすりもかけられている。

このおじいさん、なかなかやるではないか。
とても才能がなくて引きこもっているだけのおじいさんには思えない。
我は感謝の気持ちに銀貨を3枚そっとおじいさんに手渡す。
「いや、ワシはこのようなものをもらっても使い道がないぞ」
おじいさんは遠慮をするが、我も一度出したお礼をひっこめるわけにはいかない。
遠慮せずとっておいてほしいと銀貨3枚を押しつけた。
「パンダに会えるとよいな」
我はおじいさんの声にうむと頷く。
竹の杖を持って我はパンダを探しに岩山をあとにした。
◇◆◇◆◇
この岩山、登るよりも降りる方が怖いね。
落ちないようにゆっくり降りよう。
あっ・・・・・・。

◇◆◇◆◇
ふっふっふ。
メタルゴーレムは、落ちたくらいでは壊れないぜ!
ゴーレムアイを使いこなすために、パンダを探して旅立った修行中のゴーレムなり。
{ログ:ゴーレムアイというスキルはありません}
そう、まずはゴーレムアイを開眼しなくてはダメだ。
そのためのパンダ探し。がんばろう。
急いで出てきてしまったので、持ち物はあまりない。
ないわーポーチに入っているものだけだ。お金は銀貨3枚と銅貨が7枚。特にお金を使うことがないのでお金はあまり持っていない。あとはノートと筆記具、ブラックカードだけだ。
まぁ、これだけ持っていれば十分だろう。
我は食事もいらぬし、衣服もいらぬメタルゴーレム。
身体を磨くためのブラシか布はどこかで買えばよい。
◇◆◇◆◇
街道を歩みつつ我は考える。
パンダはどこにいるのだろう。
獣人たちの大陸チャオオイにはいなかったと思う。
少なくとも見ていない。クマやクマの獣人はいた気がする。
・・・・・・うむ。
大切なのは、パンダを探しているということを常に忘れないこと。
我はノートを取り出して、「パンダを見つける」とメモる。
常に心にパンダを思っておけば、いつか出会える。
パンダを呼ぶ心がパンダを引き寄せるはずだ。
迷うな、我。
この道の先にパンダはきっといる!
◇◆◇◆◇
久しぶりの一人旅だ。
国外に出るのも久しぶりな気がする。
すでにゴーレムキングダムからは出た。
何日も何日も我は歩き続けている。
ここに来て、分かれ道だ。道が北と南に分かれている。
まっすぐ行こうと思っていたのに。我の行く手を分かれ道が惑わせる。
北、南。どちらに行けばいいだろう。
こんなことなら、もっと地図を見ておけばよかった。
まぁ、どっちに行こうかわからないなら、どっちに行っても同じ事だ。
我はとりあえず北かなと思い、北側に足を踏み出そうとした。
待て。
待て待て。
待つんだ、我。
パンダは道の先にいるのか?
パンダは珍しいから、パンダなんだよ。
ただの道の先にパンダはいないはずだ。
北か、南にしか道が続いていなくとも、まっすぐ西に進めばいいじゃない。
道なき西に進む。我が歩いた後が道になる。
うむ、そうだ。
ここはまっすぐ行こう。
我は街道に別れを告げ、西に向かって歩き出す。
◇◆◇◆◇
ふぅ。
道なき道を進めば進むほど、道が険しくなっていく。
どんどん山を登っている気がするな。
周りには笹もない。
こんなところにはパンダはいないだろう。
パンダを見つけるのは難しい。
◇◆◇◆◇
さらに険しい山を登っていくと天辺が見えないそびえ立った岩山が目の前に現れた。
なんだ、この岩山は?
この岩山を避けて、先に進むのはたやすい。
しかし、それでいいのか?
厳しい道を避けた先にパンダはいるのか?
楽な道を歩いていてパンダを見つけられるのか?
答えは否だ。
我はまっすぐ行くと決めた。
この岩山の上に、パンダはまずいないだろう。
いないだろうからと避けていくのは正しくない。
万が一ということもある。
我は目の前にそびえ立つ岩山を見上げる。
・・・・・・高いな。
まぁ、落ちてもこのメタルボディなら死ぬことはないので、登ってみよう。

◇◆◇◆◇
ごつごつした岩山を我は少しずつ登っていく。
時折、風の精霊がなにしてるのと尋ねてくる。我は片手を岩山のまだ見えぬ天辺を指さす。
そこに岩山があるから、我は登っているのさ。
がんばってねーと風の精霊は去っていく。
まったく精霊は自由だな。風の精霊はその中でもさらに自由だよ。
やれやれと思いながら我はもくもくと岩山を登る。
◇◆◇◆◇
おかしいな。
天辺が見えない。夜が2回ほど過ぎたから、3日ほど登り続けていると思うのだが、どこまで続いているのだろう。
ただ一つ言えるのは、こんなところにパンダはいない。
なぜなら、笹がないからだ。
笹がないところにパンダは住めぬ。
我はそれだけは確信しつつ、さらに岩山を登る。

◇◆◇◆◇
ようやくだ。
ようやく天辺が見えてきた。
なんだこの岩山は。
高いなんてモノじゃない。めっちゃ高いよ!
我はこの理不尽な高さの岩山に憤りを覚えつつ、なんとか岩山の天辺に辿り着いた。
ふぅ、と額の汗をぬぐう。ゴーレムだから汗はかかないけど。
我は岩山の天辺を見渡す。思ったよりも広い。
そして、なぜか緑が豊かだ。
なんでだ?
もっとごつごつした岩肌があるだけだと思っていたのに。
はぅあ!?
あっ、あれは!!?
{ログ:【悟りしモノ】の効果により、衝撃状態が解消しました}
我はおそるおそる足を進める。
これは・・・・・・目の前にあるのは、笹ではないか!
まさか、こんな岩山の上に笹があるとは。
あれか、我の思考の裏をかいて、まさかパンダがここにいるのか。
我はゴーレムアイを発動させ、周囲にパンダがいないかを探す。
{ログ:ゴーレムアイというスキルはありません}
残念ながら、ゴーレムアイにはパンダの姿は捉えられなかった。
{ログ:ゴーレムアイというスキルはありません}
我はがっかりしつつも、笹をかき分けて進んでみる。
すると小さな小屋があった。こんなところに小屋があるとは。
もしかして、人がここに住んでいるのか?
我は小屋の戸をコンコンとノックしてみる。
「あいあい。どちらさまで」
!?
おぉ、人がいるようだ。
戸ががらりと開いた。
そこには、白いヒゲが立派な小柄なおじいさんがいた。
「ここに客人とは珍しいな。しかも銀色の人形とは・・・・・・このような年寄りになっても驚くことがあろうとはのう。それで、何用かな、銀色の人形よ」
我はぺこりとお辞儀をし、ないわーポーチからノートを取り出し、パンダの絵を描いた。
我はパンダの絵を示しつつ、パンダを知らないかとおじいさんに尋ねる。
「むぅ、これは、なんじゃ?
動物? 白と黒? むぅ、熊のようにも見えるな」
我は必死にパンダを探していることをおじいさんに伝える。
笹を食べているパンダの絵を描いたりして、ここにある笹がパンダの主食だということを伝えるのも怠らない。

我が必死に伝えたところ、おじいさんは何かを思い出したように、ぽんと手を叩いた。
「おぉ、そういえば、ワシが下界にいたころ、このような熊を見たことがあるような気もするのう」
なんと!?
このおじいさんはパンダを見たことがあるのか!
我はパンダに近づいたことに気持ちの昂ぶりを覚えつつ、パンダはどこにいるのかをおじいさんに尋ねる。笹を手に持ち、このような笹があるところに生息しているはずだと必死にアピールした。
我の思いが伝わったのか、おじいさんはふむふむとうなずいた。
「これか? これはワシの故郷にあった笹じゃよ。何本か持ってきたら、このような生い茂ってしもうたのじゃ」
我はおじいさんの言葉に確信を得た。
間違いない! このおじいさんの故郷にパンダはいる!
我はその後、何とかおじいさんの故郷について教えてもらえるようにジェスチャーで必死に伝えた。
「なんじゃ、ワシの故郷に行きたいというのか。どのあたりじゃったかな。長いことここに住んでいるので、ちと思い出すのに時間がかかるぞ」
我は急ぐ心を抑えながら、おじいさんに構わないと伝える。
おじいさんが故郷を思い出すまで我はしばしこの家にやっかいになることになった。
◇◆◇◆◇
白いヒゲが立派な小柄なおじいさんの話しを聞いてみると、なんとこのおじいさんも人生の修行中ということらしい。
「ワシもまだまだ修行中の身じゃよ」と笑っていた。
こんな歳をとっても修行中とは、そうとう才能がなかったに違いない。
落ち込むな、我もまだまだ修行中だとおじいさんを励ました。
残り少ない余生だろうから、悔いなく生きて欲しい。
我はおじいさんの小屋を掃除しつつ、おじいさんが故郷を思い出すのをじっくりと待った。
◇◆◇◆◇
ようやくおじいさんが故郷を思い出した。
というよりも、故郷へと案内をしてくれる杖を準備してくれたらしい。
我はおじいさんから杖を受け取る。
竹で出来たこの杖は、立てた状態から倒すことで故郷の方に倒れるとのことだ。
なんという便利杖。もちやすいようにやすりもかけられている。

このおじいさん、なかなかやるではないか。
とても才能がなくて引きこもっているだけのおじいさんには思えない。
我は感謝の気持ちに銀貨を3枚そっとおじいさんに手渡す。
「いや、ワシはこのようなものをもらっても使い道がないぞ」
おじいさんは遠慮をするが、我も一度出したお礼をひっこめるわけにはいかない。
遠慮せずとっておいてほしいと銀貨3枚を押しつけた。
「パンダに会えるとよいな」
我はおじいさんの声にうむと頷く。
竹の杖を持って我はパンダを探しに岩山をあとにした。
◇◆◇◆◇
この岩山、登るよりも降りる方が怖いね。
落ちないようにゆっくり降りよう。
あっ・・・・・・。

◇◆◇◆◇
ふっふっふ。
メタルゴーレムは、落ちたくらいでは壊れないぜ!