数年ぶりに訪れたゴーレム・バレーの第一の町ファースト・タウンはしかし、以前訪れた時と何ら変わらない様相を見せていた。
有幾年沒有來到哥雷姆・帕雷的第一城鎮了,不過跟以前過來的時候沒有什麼變化的樣子。
ゴーレム・バレーは標高千メートルを超える峡谷地帯である。遙か下には流れの激しい、船ですら渡れない川が流れ、それに分断されるように隆起した大地が連なっている。隆起した崖の上部、そしてそれをくり抜くように空いた複雑な洞窟にはその地の名の由来となった魔導人形ゴーレムが無数に活動している。
哥雷姆・帕雷是高度超過一千公尺的峽谷地區。在遙遠的下方河川湍急,連船都無法度過,就像是要將連綿的山脈給切斷一般。然後山脈的上方宛如被掏空了一般裡面有縱橫交錯的洞窟,無數的哥雷姆在裡面活動,這便是地名的由來。(這段讓我翻到頭在痛)
そこに入るのに整備された陸路は一本しかなく、ゴーレム・バレーを訪れたものは意図的に避けでもしない限り、まず第一の町にたどり着く事になる。
因為要去那裡的陸路只有一條,為了不要偏離目的,於是便先到達第一城鎮了。
その町はレベル上げに訪れる傭兵たちに補給所を提供すると同時に、峡谷に無数に棲息する高度な魔導人形をゴーレム・バレーの外に出さない防波堤に似た役割も持っており、ここを経由せずに峡谷に入るには垂直に近い切り立った崖を登る必要がある。
那座城鎮有著補給所提供給要提升等級而到來的傭兵們,同時有著防止無數棲息在峽谷裡的哥雷姆離開哥雷姆・帕雷,如同防波提一般的功用。不經由這裡進入峽谷需要爬上幾乎是垂直線的懸崖。
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峡谷は見渡す限りに広がっているが、そこに存在する魔物のほとんどは魔導人形ゴーレムであり、生き物の数が極端に少ない。道も細い箇所が多く大荷物を持ち込む事が難しく、一度足を踏み外すと千メートル近く下を流れる川まで一直線に落下してしまう、フィールドとしての危険性は屈指といえる。
雖然放眼望去峽谷十分地寬廣,但大部分的魔物都是哥雷姆,生物的數料極端地少。道路也狹宰很難運輸大型的貨物,要是一個不小心就會跌落將近一千公尺直到你落到河川為止。以一個地區來說危險性可是首屈一指的。
ゴーレム・バレーの内部には、レベル上げに挑む者たちが滞在するための小中規模の町が五つほど分散して存在している。レベル上げに訪れた者たちは皆、そのレベル上げの状況に応じて拠点の町を変えるのが通例になっている。
哥雷姆・帕雷的裡面,為了要讓等級提升的人們停留,有五個中小型城鎮分散在其中。
ゴーレム・バレーに存在する町はそれぞれ町の出来た順番の数字で呼称されるが、第一の町ファースト・タウンは役割が一際重要なこともあり、五つ存在する町の中では最大の規模を誇っていた。
各自存在於哥雷姆・帕雷城鎮根據順序被命名著,第一城鎮所派上的用場最為重大,在五個城鎮裡也是規模最為龐大的城鎮。
ゴーレム・バレーで得られた鉱物や素材の類を外に持ち出す商人なども大抵はこの町に滞在しており、人の行き来も最も多い。
想要將在哥雷姆・帕雷裡得到的礦物和素材給運到外面的商人,也大多停留在這個城鎮,來到這裡的人們也很多。
藤堂に遅れる事半日、ファースト・タウンに入った時には既に日が暮れかかっていた。
慢了藤堂半天,來到第一城鎮時已經是黃昏了。
崖の上に存在しているため、ピュリフと比べて面積は狭いが、人口密度はその比ではない。
因為位於懸崖的上方,比起比利夫來的狹隘,人口的也不是能相提並論的。
響き渡る車輪の音に無数の足音。商売のためにこんな辺境くんだりまで来た逞しい行商人に、レベルを上げにやってきた精強な傭兵。ゴーレム研究のためにこの地に居を築いた魔導師たちに、それらに加護を与えるためにこの地の教会に滞在する僧侶プリーストたち。
駛過的車聲與腳步聲參雜在一起。有為了買賣特別來到邊境的健壯商人,或是為了提升等級的精銳傭兵,又或著是為了因為而來到此地,正在修砌房屋的魔導師們,以及為了給予以上的人們加護,而停留在此地的僧侶們。
標高は高く風は強い。平野に比べて過酷な環境だがそれらの喧騒を見つめていると生命の力強さというものを強く感じさせられる。
緯度越高風就越強。雖然是比平野還要嚴峻的環境,但是看見他們的吵雜就令人感到生命是多麼地強大啊。
数年前とは言え、ゴーレム・バレーは俺がかつて通り過ぎた町だ。勝手は分かっていた。
雖說是數年前的事,哥雷姆・帕雷也是我曾經經過的城鎮。我明白大部分的情況。
もともと、ゴーレム・バレーは傭兵の間では、一流への登竜門としてよく知られている地でもある。
再說,哥雷姆・帕雷在就是作為一級的登龍門傭兵之間所知曉的地方。
ここでのレベル上げは効率的な面で言うと間違いなくトップクラスだが、同時に藤堂たちにとって一つの壁となるだろう。
這裡在提升等級的方面毫無疑問是最佳地點,但藤堂一行人來說也是一道高牆。
細く足場の悪い道に、標高が高い故に薄い空気。レベル上げをするために倒さなくてはならない魔導人形ゴーレムは力強く、俊敏で、頑丈で、数が多く、何より死を恐れない。魔導人形と言っても種類も豊富でそれぞれ対策する事が求められる。
立足點狹隘的險峻山路,緯度高空氣也因此而稀薄。為了提升等級不得不打倒的哥雷姆既力量強大,迅速,堅固,數量又多,更麻煩的事不畏懼死亡。雖說是哥雷姆也有豐富的種類,要有各式各樣類別的方案。
ゴーレム・バレーで効率よく上げられるレベルは六十前後までだが、この地でレベルを上げる事のできた者はその数値以上の強さを持つとまで言われている。
雖然在哥雷姆・帕雷能有效地提升等級到六十等左右,但能在這片土地提升等級的人都有著比數字上還要強大的實力。
藤堂の現在のレベルだとかなり厳しい戦いになると予想されるが、ここを乗り越えられたその時、藤堂は戦人として一つ上のステージに上がっている事だろう。
就藤堂現在的等級來看,可以料想到會打得十分辛苦,不過要是跨越了這裡,那時候的藤堂作為一位戰士又會更進一步來到新的階段吧。
藤堂には才能と加護、聖剣がある。だから、俺は藤堂についてはあまり心配していなかった。大墳墓の時のように妙な弱点が発覚しない限り――高所恐怖症だとか言い出さない限りなんとかなるはずだ。
藤堂有才有加護,還有聖劍。所以,我不用太過於擔心藤堂。只要沒有像在大墳墓的時候,沒有發現令人感到微妙的弱點――總不會給我說什麼有懼高症之類的吧。
逆にリミスとアリアについては心配だが――ここでダメならどうせこの先も耐えきれまい。その時はパーティメンバーの交代という事になるだろう。
反而是比較擔心莉米斯和雅莉雅,要是在這裡不行的話大概也受不了之後得旅途。那時就會就要更換隊伍成員了。
ただの孤児だったスピカがグレゴリオに修行を付けてもらいに行っているのだ。お前らも頑張れ、俺に言える事はただそれだけである。グレゴリオの下で修行するよりはここでレベル上げする方がずっと楽だろうし……。
不過是個孤兒的斯皮卡可是跟著古雷克利奧去修行了。你們也加油,我要說的話就只有這句。比在在古雷克利奧的手下修行在這裡修行肯定要輕鬆許多。
自らの意志でそれを決めた強いスピカの表情を思い出しながら感慨に浸っていると、教会の方に話を付けに行っていたアメリアが戻ってきた。藍色の眼に同色の髪が強い風に吹かれさらさらと流れている。
我一邊想著用自身堅強的意志作下決定的斯皮卡,一般沈浸在情緒裡頭時,去教會傳話的艾米莉雅回來了。有著與澄藍色瞳孔一樣色澤的髮梢在強風的吹拂下流竄。
教会との連携は生命線だ。物資の補給に藤堂に対する情報供給。事前にクレイオを通して話はつけてもらっていたが、アメリアが向かったのは『足』としてここまで乗ってきた騎乗蜥蜴をしばらく世話してもらうためと、『新人』に仕事の方法を教えるためである。
與教會的聯繫是生命線。物資的補給還有提供關於藤堂的情報。雖然在事前都和庫雷伊歐通話時就商量好了,但是艾米莉雅的主要目標為,照顧至今都作為代步工具的騎乘蜥蜴和為了教導新人工作守則。
「アレスさん、お待たせしました」
『阿雷斯先生,讓你久等了』
既に話をつけたのは通信で聞いている。だから、俺の興味はそこにはなかった。
因為商量內容已經在通信裡聽過了。所以我沒什麼興趣。
目を凝らしてアメリアの後ろを探す。
我盯著艾米莉雅的後方。
いない。アメリアが連れて行ったはずの『新人』がどこにもいない。アメリアの後ろにも隣にももちろん前にもいない。
不在。艾米莉雅應該帶過來的新人連影子都沒看到。
頭がズキリと痛む。額を抑え、アメリアに尋ねた。
頭突然痛了起來。我扶著額頭詢問艾米莉雅。
「おい……ステファンはどうした?」
『喂。。。絲特凡恩怎麼了』
「……え?」
『。。。誒?』
アメリアが慌てて後ろを見る。辺りをきょろきょろと見回す。
艾米莉雅慌張地看向後方。對著附近左右張望。
主要な通りなので人通りは多いが、はぐれるような混雑でもない。『普通』ならば。
雖然是主要的幹道人群有點多,但一般是不會走失的。如果是『一邊』的情況下。
ステファンは身長こそ低いが完全な黒の髪はこのあたりで見るようなものではなく、それなりに目立つ。
絲特凡恩雖然不高,但在這裡不全找不到那頭顯眼的黑髮。
いない。どこにもいない。
不再,一點影子都沒有。
アメリアが唇を噛んで、上目遣いで俺を見上げる。
艾米莉雅咬了下下唇,低頭看著我說。
「……ッ……つい先程までは……確かに私についてきていたんですが」
『。。。就。。。就在剛才。。。確實還跟在我旁邊才對』
「マジかよ……」
『真的假的。。。』
「ちゃんとついてくるように行っておいたんですが……」
『雖然叫他跟著我走了。。。。』
なんで前を歩くアメリアに付いていくだけの仕事なのにはぐれるんだよッ!!
為什麼就只是跟著在前方走路的艾米莉雅也會走丟啊!!
「どうしましょう……崖から落ちてる……かもしれません」
『怎麼辦。。。有可能。。。掉到懸崖底下了』
「ありえない。展望台を始めとして、町で落下する可能性がある場所には柵が設置されてる。馬鹿でもなければ落ちたりしない」
『不可能。從景觀台開始,所有可能會掉下來的地方都有設置柵欄。就算是笨蛋也不可能掉下去』
「アレスさんはステイを知らないんです」
『阿雷斯先生你不明白絲黛伊啊』
深刻そうに囁くアメリアの表情を一笑に付す気にはならなかった。
あああああああああああああああああああああああああああッ!!!
艾米莉雅用著沈重地訴說,一點也沒有要開玩笑的意思。
啊啊啊啊啊啊啊啊啊啊啊啊啊啊啊啊啊啊啊啊啊!!!
「……探せ」
『。。。去找』
アメリアが呪文を呟き探査の魔法を行使する。
艾米莉雅詠唱咒文使用搜索魔法。
それを横目に見ながら、俺はクレイオに何と連絡すべきか考えていた。
我一邊側目看著一邊想著該和庫雷伊歐聯絡了。
クソッ……要員入れるの……早まった。
嗚。。。太過急著要擴充人員了嗎。
(完)