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【久远de纱树-介绍】转日站BLOG——零~立花树月~

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「いつか村の为に俺を杀す日が来るんだ、树月」
それは、ぼそりと呟かれた言叶だった。
仆はそれに、いつも返す言叶が无かった。
睦月、仆、千歳、八重、纱重…。
昔よく、みんなで鬼ごっこをして游んだ。いつもうまいのは千歳で、巧みに隠れてしまう。しまいには、何処に隠れたのかわからなくなって、みんなで探したこともあったっけ。
仆たちが生まれたのは、寒い寒い雪の日。睦月の初头。だから、仆たちはそう名づけられた。
雪のように白く在れ。
父と母が云っていた言叶。
母はいつも悲しげだった。
「ごめんね…ひとりだったらね…千歳のように、ひとりだったら…」
「おにいちゃん、いなくなったりしないよね?千歳のことを、おいていかないよね?」
血を残す为に近亲婚を缲り返した结果、千歳は生まれつきの弱视で、殆ど见えないような状态だった。外へ出るときは、仆か睦月が必ず手を引いた。
   祭りの日がきた。
怖い。寒いふかい、深道を通って、二人で歩いた。
睦月がお互いの腰を缚る红い纽を握っている。
宫司たちに囲まれて、囲まれて、囲まれて、水音がする。
「…树月。そろそろつくよ」
そろえた髪の长さも、そろえた着物の色も、そろえた瞳の色も。
全てが同じなのに。
「さあ」
カシャン。
睦月が仆の手をそっと掴んで、自分の喉元へと持っていく。
カシャン。カシャン。
「さあ。树月。俺を杀せ」
シャン!シャン!シャン!シャン!
遍く锡杖の音にせかされる。
「さあ。树月。早く。早く。早く…」
シャン!シャン!シャン!シャンシャンシャンシャンシャンシャンシャンシャン
「……い、厌だ…」
踌躇した手は、睦月の手を振り払った。
シャンシャンシャンシャンシャンシャンシャンシャンシャンシャンシャン
「…こうなる事は初めから决まってたんだ树月。」シャンシャンシャンシャンシャンシャンシャンシャンシャンシャンシャン
仆は头を抱えて、仪式の座から后ずさった。
シャンシャンシャンシャンシャンシャンシャンシャンシャンシャンシャン
「厌だ!」シャンシャンシャンシャンシャンシャンシャンシャンシャンシャンシャン
シャンシャンシャンシャンシャンシャンシャンシャンシャンシャンシャン
杀したくない!
シャンシャンシャンシャンシャンシャンシャンシャンシャンシャンシャン
「…。树月…」
シャンシャンシャンシャンシャンシャンシャンシャンシャンシャンシャン
彼は怒ったような、泣きそうな、ヘンな表情をした。
シャンシャンシャンシャンシャンシャンシャンシャンシャンシャンシャン
宫司たちが、彼の首に仆の腰から繋がる纽を、かける。
シャンシャンシャンシャンシャンシャンシャンシャンシャンシャンシャン
「どうして、」
シャンシャンシャンシャンシャンシャンシャンシャンシャンシャンシャン
仆は冷たい风の吹き上げてくるそこに立たされて、ゆっくりと睦月が仆の体重
で持ち上げられていくのを见ていた。その纽が、その首を缔めていくのも。
シャンシャンシャンシャンシャンシャンシャンシャンシャンシャンシャン
シャンシャンシャンシャンシャンシャンシャンシャンシャンシャンシャン!
「杀してくれない?い、つ、き…」
ガクン、と骨の外れた音がして、睦月の首が変な方向に折れ曲がった。仆の腰から纽が外されて、睦月の身体はゆっくりと忌人たちの手で
「や、やめろ…」
シャンシャンシャンシャンシャンシャンシャンシャンシャンシャンシャンシャン



1楼2009-06-28 14:48回复
    シャンシャンシャンシャンシャンシャンシャンシャンシャンシャンシャンシャン
    ゆっくりと、深い深い暗い底へ、な   げ   こ   ま   れ
    「睦月――ッ!」
    シャンシャンシャンシャンシャンシャン!
    シャンシャンシャンシャンシャンシャン!
    シャンシャンシャンシャンシャンシャン!
    シャンシャンシャンシャンシャンシャン!
    仆は、落ちていくもう答える筈も无い亡骸を追う。宫司の一人が、仆を止める。
    「树月様。中を见てはいけません」
    だけど、もう遅かった。
    「あ…ああ」
    これが、ウツロ。
    これが、この村の…
    白い、睦月の着物がゆっくりと、亡者たちの中に落ちて、捕らわれる。
    ゆっくりと折れた首から、その目が开かれて、
    シャン…
    「どうして…杀してくれなかった。树月」
    シャン、シャン、シャン、シャン、
    「ああ、あああああああ!」
    「树月様!」
    ―――――――――――――ウ   ツ   ロ
       ウ   ツ   ロ  
       ウ   ツ   ロ   …
    …どうして。どうして。どうして。睦月、许してくれ、どうして、睦月、许してくれ、どうして、睦月、杀せないよ、どうして、睦月、许してくれ、どうして、睦月、许してくれ、どうして、どうして、どうして…。
    …『このままでは黄泉の穴が开いてしまいます』
    …『立花よ。お前の所の双子巫子。…何故杀せなんだ』
    …『申し訳ありません、祭主様…こんなことになるなんて』
    どうして。どうして…
    仆は、祭りの日から、ずっともう部屋から出ていない。髪は白くなってしまった。
    仆は、睦月の着物を…同じ着物を、ただ抱いて、膝を抱えて声を杀して泣き続けた。
    「树月。入るわよ」
    母様が、部屋に入ってきた。
    「…。杀せなかったのね」
    仆は、ただ膝を抱えて黙っていた。
    母は、一対ずつ揃えられた仆达の部屋を见回した。
    「…私も、あのひとも、鬼只よ。」
    初めて明かされた事実に、仆は颜を上げた。
    「私は…杀せなかった。」
    そういって、母様は颜を伏せた。
    窓も无いこの部屋には、ぼんやりと明かり。
    「私とあのひとは…异母兄妹にあたるわ」
    月は无いのに、母様は空を见上げるように颜を上げた。
    「…杀せるわけが无い。杀せない。実の…妹を、弟を、村の为に、杀せるわけが无い。…树月」
    仆は、着物の裾を握り缔めた。
    「でも…睦月は许してくれない」
    「…そうね」
    强く握って、こぼれた涙が、白い着物に染みを作る。
    「许してくれなかった。许してくれなかった…!」
    「…。そうね」
    母様は、ただ仆の话を闻いてくれた。仆は、わけがわからなくなって、泣いた。
    子どもみたいに。
    ねえ睦月、どうしたら、仆のこと、许してくれる?
    仆はずっと考えたんだ。
    ねえ睦月。次は八重と纱重が同じ様に犠牲になるよ。
    仆はね…こんな気持ち、もう谁にも味わわせたくないんだ。
    桐生の蓟と茜のことを知ってるだろう?
    仆は、ずっと考えた。
    幼驯染の、良蔵が来たのは幸いだった。彼は外に住んでいる。きっと、深道の外へ出ても、大丈夫だ。
    八重、纱重、绝対に同じ思いを味わわせたりしないよ。
    「もしかして…と思ったけど、何でこんな所に」
    蔵の后ろへ続く道は、昔彼と仆らで鬼ごっこした时に见つけていた。
    彼はそこをこっそりと通ってきたのだ。
    「良蔵!よく、覚えててくれたね!」
    彼は周りを见回して、半ば小声で蔵の窓に手をかけた。
    「急に消えたなんて闻かされて、谁が信じられるか。…树月、その髪」
    「それより、きみに頼みがあるんだ」
    八重と纱重を迎えに来てくれ――
    良蔵は、话を闻いてくれた。そして、必ず来ると云った。
    别れ际、彼は背を向けて呟いた。
    「…睦月は、もういないんだな」
    仆は格子に手をかけて、俯いた。
    「……ああ……」
    蔵の牢の中で、仆は考えた。
    头の中で、响いている锡杖の音――
    シャン   シャン   シャン   シャン   シャン   シャン  
    シャン   シャン   シャン   シャン   シャン   シャン
    时折…屋根裏から、泣き声が闻こえてくる。
    过去に鬼只となった者の中には、可笑しくなったものも大势いると闻いた。
    仆ももう、正気なのかどうか、わからない。
    ねえ睦月、どうしたら、
    仆のこと、许してくれる…?
    深く、深く、深く、深く、ウツロも、黄泉の穴も、全てが水に沈んだ。
    ここは水神ダム。
    ああでも仆はずっと捕らわれ続ける。
    睦月、睦月、睦月、睦月…。
    せめて、あの时ウツロに落ちてしまえばよかった。
    そうしたら、きみに谢ることが出来たのに。
    いまだ以って、どんなにどんなにど   ん   な   に、时が、过ぎても、
    仆はきみに谢る为に名を呼び続ける。
    睦月、睦月、睦月、睦月。
    杀してあげられなくて、ごめんね。


    2楼2009-06-28 14:48
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      IP属地:安徽3楼2010-08-29 10:06
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