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【手码版】武官律师L维恩1

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1楼度娘


IP属地:广东1楼2016-05-13 22:30回复
    武官弁護士エル・ウィン
     「ほらぁ!命の惜しい人は机の上にお金を出して両手を上げなさい!」
     はぁ~、私ってば何やってんだろ?
     私はミア・ラルカイル、十六歳の可憐な美少女(きゃ)。しかも、元はある王国の王女様だというのに……それが、こんな強盗みたいなことを……って、そこのあんた!のんきに新聞読んでるんじゃない!この剣が目に入らないの?
     すると、その青年は赤い瞳で平然と私を見つめ、「君、早く逃げてほうがいいと思うよ」なんて言ってくる。
     あんた、いったい何者なの?
     「僕は弁護士です」
     しかし、彼はただの弁護士ではなかったのだ─
     第十二回ファンタジア長編小説大賞準入選作。新世紀をリードするロマンティック・ハリケーン・ファンタジー!
     「お金を机の上に出して、両手を高く上げなさい!さもないと皆殺しにするわよ!」
     突如目の前の空間が歪み、
     その歪みから巨大なヘルハウンドが出現した!
     「忌呪」によって呼び出された黒い鬼は無気味な叫び声を上げ続ける─
     目 次
     プロローグ 弁護士エル・ウィン
     第一章 竜・森・死神・離婚?
     第二章 恋・裁判・やり手・竜殺し
     第三章 誘拐・痛み・心・急接近!?
     第四章 弱さ・強さ・命・それぞれの想い
     第五章 衝突・消滅・もう・いない……
     エピローグ さよなら
     あとがき
     解 説


    IP属地:广东2楼2016-05-13 22:31
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      2025-07-27 23:51:33
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       プロローグ 弁護士エル・ウィン
       「ほらぁっ!命が惜しい人は机の上にお金を出して、両手を上げなさい!」と、叫んだのは私。
       昼食時の客でにぎわう薄汚れたカフェに、緑の玉石が埋め込まれた場違いなほど高価そうな宝剣が鋭くきらめく。
       この剣を見たら、誰も私を強盗だと思わないだろうな~
       女だし……
       細身で、小柄で、可憐な茜色の長髪で、その上まだうら若き十六乙女
       でも、私はほんとに強盗なのだ……
       祖国リルミルトが仇敵がイラルハルに侵略されてから早二年。城から持ち出した資金が底をつき、付き随っていた最後の従者が私の元を離れるは十分な時間だった。
       この高価そうな剣は、王位継承者だけが持ちことを許される帝国伝来の宝剣。
       そして私は、この剣以外にもう金目のものはなにも持ってない……
       薄汚れた茶色いマントに安での旅装。
       うう……ホンの数年前までは北大陸最強の勢力を誇っだリルミルト帝国王、グレアム・ラルカイルの娘として、なに不自由のない生活を送ってたっていいうのに!
       と、頭に帝国でお姫様業だけをやってればよかった頃の回想シーンがふぁ~っと、こうふぁ~っと浮かんできて……
       ってああもうっ!ダメダメ!過去の栄光を振り返ってもむなしいだけよ!いまは目の前のことだけに集中するの!
       奪う目標は当然お金。
       元帝国王女(私のコトよ?念のため)が、もう二日飲まず食わずで旅を続けているなんて!
       コトは緊急を要している。正義をどうこういってる状況ではない。
       私はもう一度叫んだ。
       「聞こえてなかったの!お金を机の上に出して、両手を高く上げなさい!さもないと皆殺しにするわよ!」
       と言ってるのに、誰も手を上げない。それどころか私の後ろ、カウンター席のほうから、男たち数人のゲスな笑い声が上がった。
       「な~に言ってんだ?この嬢ちゃんは?おままごとならよそでやってくれよ」
       「なんならおれが、面倒見てやってもいいけどよぉ?」
       そしてまたゲスな笑い声が、今度はカフェ全体から上がる。
       明らかに馬鹿にされている。
       くう……なんて無礼なやつらっ!そんなふうに笑ってられるのも、いまのうちだけなんだからねっ!
       私は動揺を隠して胸を張った。
       「へぇ……あんたが私の面倒を見てくれるっての?」
       「ああ……へへ、いろいろとな」
       好色な目で私を見つめる薄汚い大男。
       うう、やだやだ。これだから下賤な身分の男は……あの、へへ、っていう気色悪い含み笑いを漏らしている間に、きっととんでもなくいやらしいことを考えてるんだろう。
       うおっ!?
       そう考えた途端、頭の中に、その男の襲われているピンチな私が思い浮かんで、思わず背中に悪寒が走った。
       きゃ~誰か~!?
       ってな具合にふざけてる場合でもないわよね。ここで弱気になったらますますっけこまれた、卑猥なコトたくさん言われそうだわ。そうなったら分が悪い。下ネタじゃ男に絶対勝てないんだから、強気にでなきゃダメ!
       がんばれ私!
       私はさもなんでもなさそに、男をやんわり見据えて、
       「それは私をてごめにするってことなんでしょう?」
       「おお、話が分かってるじゃねーか」
       「分かるわよ。あんたみたいな男が考えることなんて知れるもの。酒と女と博打。まったく、芸がないっだらありゃしない……でもいいわよ。あなたのでごめになってやっでも。だけど、私は強い男が好きなの。お楽しみは、私を力でねじ伏せてからね」
       と、私は剣を構える。
       「もしあなたが私に戦って勝てたら、好きなだけどどうぞ」
       その挑発で、男は立ち上がった。背のそれほど高くない私なんかよりは、頭四つ分もおきい。男は、カウンターに立ちてかけてあった長刀を取り上げ、ニヤついたぶかっこうな唇を舌べでロリとなめた。
       「へへ、こりゃとんでもない拾いもんをしたな……」
       と長刀を抜き放つ。
       「手加減してやるから安心しな、嬢ちゃん」
       「もう!のうがきはいから早くきなさいよ」
       「言われるまでもねぇ」
       そう言って、男が長刀を振り上げた瞬間!
       パンッ!!
       一足飛びに間合いを詰め、振り上げられた私の宝剣の腹の部分が、大男の頭部にたたき込まれていた。
       勝負はその一瞬で決まった。
       男はその衝撃に意識を失い、その場の崩れ落ちる。
       私はそのまま体勢を崩さず、再び剣を構えて、
       「いまのはまぁ、デモンストレーションってところね。次は殺しわよ。さあ、今度は誰が私をてごめにしたい?」
       「……」
       一瞬呆然とする男たち。そして、
       「な、なめやがってこのアマ!?」
       「ぶっ殺してやる!!」
       と、今度は同時に三人、とげとげのついた棍棒やら、でっかい斧やらと、やたら物騒な武器を手に襲いかかってきた。
       「おっけい。三人様ご招待~」
       気楽に言いながら、私は振り下がろされる斧を一寸でかわし、一人目の頭にさっきと同様、宝剣をたたきつけた。それだけで男は昏倒する。これで一人目終了。
       続いて横薙ぎに襲いかかってくる棍棒をしゃがんで避け、即座に折り曲げた体を跳ね上げて、剣の柄の部分を男の顎にヒットさせる。はい、これで二人目。
       三人目はその、私の可憐かつ魅力的かつ圧倒的な強さに唖然としているところを、私の右ストレートによって殴りつけられ、あっけなく気絶。はい、三人目。
       とまあ、ざっとこんなモンかしら。
       「ふぅ……さて、次は誰が挑戦する?」
       私は笑みを浮かべて周りを見まわした。
       しかしカフェは静まり返り、もう誰も名乗りを挙げない。ふふ、いまの勝負で、馬鹿な男どもは気がついたのだ。こんな小柄な少女が単身、男が何人もいるカフェに自信を持って押し入ってくるのには、その裏にどれほどの実力を備えていなければならないのか、ってことを……
       私はかつて、私の剣の師匠兼、護衛役をしてくれていた、ある女性の言葉を思い出した。
       「お嬢様。敵を見てくれで判断してはいけませんよ?たとえばこの私……あなたとは四つしかかわらないし、その上、女なのにもかかわらず帝国騎士団の長をさせて頂いています。でもほら、こうやってドレスを着ていれば、そんなふうにはとても見えないでしょ?きれいで、おしとやかで……え?言い過ぎ?あはは」
       快活な笑い声。彼女の教えてくれる一言一言は、いつも分かりやすくて、全て勉強になった。ほんとに四つしか離れていないのに……頼り甲斐があって、彼女がいればどんな困難にも負けないと思えたものだ。祖国が滅びたあとも、彼女が一緒にいてくれたから、あきらめずにやってこれたのだ……
       なのに彼女も……
       って、いかんいかん!またもう元には戻らないことばかり……
       だめよミア!さあ、気を取りなおして、強盗再開するのよ!
       と、私がいまの戦闘によって乱れた長い髪を整えながら、
       「さ、皆さんに異論がないようなら、さっき私が言ったことを、やってもらえるのかしら?」
       そう聞くと、カフェにいた客たちはおびえ顔でゴソゴソと金や財布を木製のテーブルの上に出し始める。
       ギラリと光る私の宝剣の前に、みんな素直だった。
       私は各テーブルを廻って、あらがじめ用意してきていた袋にお金を詰めていきなながら、いまさらながらの考えが頭に浮かんで、ため息をついた。
       はあ、しかしまあ、帝国令嬢が……強盗とはねぇ……
       ほんといまさらだけど……
       強盗をする前は空腹の勢いもあって、それほど心に躊躇はなかったけど、いざ、おびえた客たちのお金を奪っている自分の姿を見ると、後悔の念がわいてくる。生活のためとはいえ、こんなことをこれから何回続けていけばいいんだろう?
       というよりもむしろ、これから私はなにを目的として生きていけばいいんだろう?
       ここのところいつも浮かんでくる悩みが、頭をもたげてくる。
       帝国の復興?
       そんなの無理だ。いまの私にはとてもそんな力はない。まだ幼いし、両親も兄弟も、お城の人たちも国民も、私は全てを失ってしまったのだ。
       あの女性すら私を裏切って……
       彼女が最後に、私の首に剣をつきつけて言った言葉を思い出す……
       さみしげな目をして、
       「あなたには無理よ……お嬢様」
       それは突然のことだった。私には、なんでいきなり彼女が、あんなことを言い出すたのかも分からない。ただ、もっとも信頼していた人が、私の元を去っていくのを、私は止めることはできなかった。
       ほんとうに私は全てを失くったのだ。
       私は見捨てられたのだ……
       そんな私に、なにができる?
       その上、ここ南大陸にも流れてくる、侵略国ガイラルハルの良政は有名だし……私が再び兵を起こして無駄な血を流す必要があるだろうか?
       ない。
       悔しいけど、あの人殺したちに復讐する大義も、力も、いまの私にはないのだ……
       じゃあ、死ぬまで強盗を繰り返す?
       馬鹿な!それこそ無益だ。
       「はぁ……結局、私の存在意義ってなんなのかしら?」
       と呟いた私の目の前で、顔色を青くしたご婦人が一瞬不審げな視線を送ってくる。それに私はぎこちない笑みで答えながら、ご婦人の前に置かれている豪華な財布を回収し、最後のテーブルに移ろうとした。
       その瞬間!
       ジリリリリリリリ!
       突然警報が店内に鳴り響いた。誰かが警報装置を押したのだろう。
       しかし私は慌てなかった。
       ここは小さな田舎町だ。大都市ではない。ってことは、この町に駐在しているのは、小規模の保安隊のみ。多くて四人というところだろうか?とすると朝晩交代で、二人ずつ勤務ってとこかしら?
       う~ん……ま、こんなこと自慢にもなんにもならないけど、私の実力なら、二人ぐらいはどうにでもなる。
       だから私は慌てなかった。
       警報装置をを押した人にも、怒る気はない。
       私は気を取り直して、最後のテーブルの上に置かれているお金を袋に詰めるため、振り返った。
       が、
       「あら?」
       そこで少し驚いた。
       そのテーブルには、お金が出ていないかったのだ。ただ紳士風の身なりをした、二十代前半くらいの黒髪の若い男ーー体格ががっしりしているわけでもないし、背だって、平均よりは少し高いというくらいで、特別大きいわけでもないーーようするにこの状況下、私に太刀打ちできるようにはとでも見えない男が、店内で起こっていることにはまったく興味のない様子で、平然と新聞を読みんでいた……
       ただ平然と……
       「あのぉ、お金、出してもらえますか?」
       「…………」
       うお!?無視された。こんなふうに無視されると寄る辺もない。
       こちらが威嚇のために振り上げた宝剣も……見てもいない。
       彼はただ、その黒髪とはどうしてもミスミマッチな印象を受ける、作り物のような真紅の瞳をわずかに細めて、悠然と新聞の文字のみを追っている。
       や、やりにくい……
       と私が思った矢先、男が突然呟いた。
       「警報がうるさいな……」
       それで私は切れた。
       「無視すんな!」
       と、宝剣を一振りして、男の新聞を切り裂く。そして剣の切っ先を男の鼻面に突きつけて、
       「空気が読めない男って、私嫌いなのよね。あんまりなめると、痛い目みるわよ」
       目一杯ドスを利かせた声音でそう言ってみたが、男は動じない。
       剣の切っ先を緊張感のない、新聞を読んでいたときよりもさらに平然とした赤い瞳で見つめて、ため息なんぞをついてくる。
       「君、早く逃げたほうがいいと思うよ。あんなに警報が鳴ってるじゃないか。君はもしかして、この町には保安官があまりいないから、いつでも逃げ出せると思ってるのかもしれないが……っと、ああ、もう遅かったか。それじゃあさよなら」
       などと、男は意味不明な言葉を残して再び二つに割れた新聞を器用に合わせ、読み始める。私が突きつけている剣にはいっさい気を払わあない。
       うぬぬぬぬ~!


      IP属地:广东3楼2016-05-13 22:34
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         そんなでたらめを、私は呆然と聞いていた。
         なにを言ってるんだ?このウィンという男は?
         ただ話の内容は、わたしをかばってくれているようだった。
         でもなぜ?
         そんなことを考えている間にも、黒ローブの男ーーもとい、判事が、うめくよに言う。
         「では君は、彼女はすでに悔い改めていると言うのかね?」
         「ええ。それは彼女があっさり嫌疑を認めたことから分かると思いますが……」
         「ふ~む……」
         「若気のいたりというやつで、それをいちいち裁いていてはねぇ……それに彼女はまだ」
         「未成年と言いたいのだな?」
         「そうです」
         そこでウィンは、口元に笑を浮かべた。赤い目が、鋭く細められる。
         対照的に判事は、苦悶の表情を浮かべ、考え込む。が、やがて決心した表情になって、「よし分かった。判決を言い渡す。
          主文
         被告人ティア・クーパーを、保護観察処分とする。
         被告人は強盗行為を行なったが、まだ未成年であるということと、すでに悔い改め、その態度が殊勝であることから、その罪を問わず、保護観察処分とする。
         今後五が月、いや……」
         とそこで判事は顔をしかめ、
         「裁判所が任命した特定の保護者のもと、保護観察者が、被告人が社会的に更生したと思われるまでの間(最低五か月以上)、保護観察処分とする」
         判事がそこまで言い終わると、ウィンが手をパンとたたいて、私のほうに言ってきた。
         「これで君は放免だ」
         続いて彼は判事のほうへ向いて、
         「じゃ、私はもういってもよろしいでしょうか?」
         が、判事は首を振る。
         「いやまだだ。保護観察者の選定が残っているからな。
         保護観察者は、被告人を更生への道へと歩ませることに成功した、エル・ウィン武官弁護士に命じることにする。」
         「はぁ!?」
         そこでウィンは、間抜けにも聞こえる驚きの声を上げた。
         「ちょ、ちょっと待ってください判事」
         という声を無視して、判事は続ける。意地の悪そうな顔つきで、
         「理由はこうだ。今のところ、唯一被告人の心の中へ入りえた人間であり、この人選が最高のもの思われる。それに、武官弁護士のエル・ウィンは、その力を持ってすれば、被告人の犯罪をみぜんに防ぐことができたのにもかかわらず、それをなさなかった。そのことをかんがみれば、この命令をエル・ウィン君は、快諾してくれるものと思われる。と、ここまでが理由だ。書記官、筆記をやめろ。
         で、つまり私が言いたいことはだね、ウィン君」
         その言葉をウィンが継ぐ。
         「責任を追及されたくなければ、逆らうな……と?」
         「そういうことだ。君が事前に解決していてくれれば、私はここにこなくてすんだのだ。私は、わざわざ昼食を中断して、ここに出向いてきたんだよ。食い物の恨みは怖いというだろ?」
         そこで、はぁ……ウィンがため息をつく。
         名乗り出るんじゃなかった……」
         という声を掻き消して、
         カァン!
         再び、ハンマーの音が鳴り響く。
         「これにて閉廷!」
         言うが早いか、私を押さえつけていた男たちは、俊敏な動きでその場を退き、判事の前に置いてあった壇を持って、店を出ていく。続いて判事の周りにいた書記官が店を出て、最後に判事が去り際に、
         「ウィン君。いくら君が武官弁護士で私と同等の権利を持っていても、今回にの件を担当したのは私だ。私が決定した事実は、すでに私の手を離れて、司法庁の決定になる。分かってるね?」
         「分かってますよ判事。司法庁には逆らいません。私も命が大切ですからね」
         と再び彼はため息をつく。
         それを見て判事は満面に笑顔で頷き、店を後にした。
         それは、あっというまのできごとだった。まったくワケのわからないうちに、私を無視して勝手な取り引きがあって、全てはなんの解決もされてない(と思う)まま、店内は元通り。
         私は剣と、金を握ったまま、その場に立ちっている。
         なんのお咎めもなしに。
         いったい、いまのはなんだったのかしら?
         とは、私は自問しなかった。あまりの大げさな演出に多少驚いたけど、なぜか私は自由の身になっている。
         それならそれでいいや。
         ラッキー!
         と思って、あとはとんずらすればいいのだ。
         善は急げ!って言葉は強盗をしたこの場合あってないかもしれないけど、とにかく私は剣を収め、金の入った袋を握り締めて、駆け足で店から出ようとした。
         が、そのとき。
         ギュ!と強い力で、私の腕がつかまれた。振り向くと、ウィンという名の男が、私の腕をしっかりと握っているのだった。
         「なにすんの!離して!」
         叫ぶが、彼は例のごとく、人の話なんてまったく聞いていないかのように無視。
         またまた深いため息をついて、
         「ふぅ……とんだ荷物を背負わされたな。まぁ、身から出た錆と言えば、あきらめもつくが……君、ティア・クーパーだっけ?」
         と彼はまるで邪魔ものを見るような目つきで私を見おろす。
         「さ、金をそこてに置きなさい」
         言われて素直に置くようなら、強盗などしない。
         「なに言ってんのよ。そう簡単に……っ!?」
         そこで私は声にならない悲鳴を上げた。
         私が知覚できないほどの速さで、お金が入った袋が、ウィンに奪い取られていたのだ。
         「この金、ここに置いておけばいいかな?」
         ウィンは店の客たちに確認するよう、目線を回し、みなが頷くと、私のお金をテーブルの上に置いた。続いて懐からコインを一枚取り出し、
         「これ、勘定ね。さ、おてんばお嬢さん。外へ出ましょうか?」
         「ふざけんな!」
         と、私はウィンの虚を突いて、押さえられているほうとは反対側の腕で再び宝剣を抜き放ち、私の成せる、最大限の速さで切りかかった。
         がーー
         「うそ……」
         そう呟くしかなかった。
         私の剣撃は、こんな近距離から放ったにもかかわらず、あっさり受けとめられてしまったのだ。それも、人差指と中指の二本だけで……
         「あんた……いったい何者なの?」
         するとウィンは、驚愕している私から、ひょいと剣を奪い取り、こともなげに答えた。
         「僕は弁護士です」


        IP属地:广东5楼2016-05-13 22:41
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          哇楼主辛苦了!
          等考完试暑假就继续拍OTZ


          IP属地:广东来自Android客户端6楼2016-05-26 03:07
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