大名であることの意味と重荷
4Gamer:
ここまで聞いてきて,家臣や城主でプレイする「戦国立志伝」の風景はだいぶ想像できるようになったのですが,では大名でプレイする場合は,どんなゲームになるのでしょうか。より具体的には,大名での内政では,どんなことができて,何をしなくてはならないんでしょう?
小笠原氏:
本作においては,大名と言っても,あくまで「一番偉い城主」なわけです。複数の城を持っていることもありますが,基本的にできることは城主と同じですし,同じようなことをやっていくことになります。
無論,権限の面で言えば,外交の特権であったり,軍事的な指揮権の広さだったりといった,大名ならではの広がりはあります。
4Gamer:
そうなると逆に気になるのですが,複数の城を持つ大名の場合,その複数の城を管理しなくてはならないものなんでしょうか? 自分はとくにめんどくさがりなので,どれくらい委任できるかというのは,とても気になります。
小山氏:
委任はそれなりに可能です。逆にすべての城を直轄領として,何もかも自分で面倒を見るということも,一応は可能となっています。
4Gamer:
そこの自由度も大きいんですね。
小山氏:
ええ。ですが複数の城を直轄している状況というのは,逆に言えば,「家臣に城を与えていない状況」と言い換えられます。しかるに勲功を積んだ家臣が,その勲功にも関わらず昇進できないとなると,当然その家臣は不満を持つことになりますよね。ですので,やはりどこかで,家臣に城を与えて城主にする必要が出てきます。
4Gamer:
功績には報いねばならない,と。
小山氏:
もっとも,この勲功システムは,別の方向にもゲームを動かす力を持っています。家臣は活躍すれば勲功をためていきますが,勲功を積んだ家臣を城主にするためには,城が必要になるわけです。となると,他国を攻撃して城を獲得する必要も出てくるわけです。
4Gamer:
あー,勲功を積んだ家臣に褒美を与えないといけないけど,城は勝手に増えないから主君が扱いに困るという……。
小山氏:
まあ,勲功まわりについては,そこまでシビアなバランスにはしていませんので,「ものすごく困った!」ということにはならないとは思います。ただ,放置しておくわけにもいかない案件です。このあたりは大名としての統率力が求められる面ですし,「大名プレイならではの内政」と言える部分でもあります。
合戦の要は「敗走しないようにする」こと
4Gamer:
内政に続いて,合戦についても教えてください。まず一番基本的なことですが,合戦はリアルタイムなんですか?
小笠原氏:
合戦も,大枠は「創造」のシステムと同じだと考えてください。ですので,リアルタイムでの進行となります。ただ今回は武将プレイですので,自分が扱うのは自分の部隊だけ――つまり,例えば柴田勝家であれば,柴田勝家隊だけを操作することになります。そのため,さまざまなミクロなマネージメントを行うことになります。
自分以外の味方の隊はAIが動かしますから,彼らとうまく協調しながら,目の前の戦況に対処していく。そして敗走しないように頑張る(笑)。これがとても大事になってきます。
4Gamer:
操作できるのが自分の部隊だけですから,「敗走しない」のはすごく大事ですね……。
小笠原氏:
もちろん大名でのプレイであれば,臣下の武将に対して大まかな命令を出すことは可能です。軍団長でも,自分が任されている軍団に対しては,大名と同じように指揮ができます。このあたりのプレイ感覚は「創造」に近いと思ってください。
ですが大名や軍団長でのプレイであっても,陣形であるとかいったミクロなマネージメントを行えるのは,自分の部隊だけです。いわゆる,「自分の声が届く範囲」というやつですね。
4Gamer:
大名や軍団長プレイのときの戦闘についても確認させてください。ほかの部隊に対してある程度命令が出せるのは分かるのですが,命令しなかった場合は,AIがコントロールしてくれるのでしょうか?
小笠原氏:
そうなります。その上で,プレイヤーが「こっちに行け」という命令を出せば,その命令に従って行動します。
ただし,自分が率いる部隊については,自分で命令しないと,その場で棒立ちになったままですね(笑)。
4Gamer:
筆者のようなめんどくさがりとしては,「そういったミクロマネージメントをどれくらい“しなくてもいい”のか」というところが,気になりまして。
小笠原氏:
戦闘の基本は「創造」と同じですので,カメラを引いて見ているぶんには,放置しているだけで戦闘は進んでいきます。一枚マップの上で軍勢がぶつかる戦闘ですね。これでしたら,しっかり数を揃えて挑めば,ミクロなマネージメントはなくても勝てます。
ただし,自分が家臣のときは話が変わります。家臣のときは,戦闘のスケールも変わってくるんです。
小山氏:
家臣と城代は,そもそも自分から出陣できません。あくまで,上の人から呼ばれて,戦場に参加するという形になります。このときも視点を引いて戦うことは可能ですが,基本的には自分の視点にして,陣形や戦術を駆使して戦う必要があります。
