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【搬运】Merry Christmas~!!!!

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IP属地:法国通过百度相册上传1楼2013-12-25 00:23回复
    圣诞快乐w


    来自Android客户端2楼2013-12-25 00:30
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      2025-05-14 16:55:25
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      SNOW BOUND LAND
      『みんなで过ごすクリスマスの夜』
      ――12月25日。
      ここずっと旅を続けてきた俺にとって、クリスマスパーティーなんて无縁のものだった。
      まあ、それどころじゃなかったし、俺にはやるべきことがあったから。
      でも、そんな话を何気なくあいつにしたら――「だったら绝対やろうよ!」って他のやつらにも呼びかけて……。
      そしたら俺が口を挟む间もなく、オルヴァの家でクリスマスパーティーを开くっつーことになっちまった。
      (どうせやるなら俺はあいつとふたりっきりが……いや、别に……いいんだけどよ)
      もうガキみたいに騒ぐ歳でもねーけど。やるってんなら付き合ってもいい。
      そんな気持ちで、オルヴァの家を访ねると――。
      「オルヴァ、その星のオーナメントとってもらっていいかな?」
      「えーと……これ?」
      「うん、ありがとう。あ、アージェ! 良かったらアージェもツリーを饰るの、手伝ってよ」
      「このツリー……、全部カイとオルヴァが饰り付けたのか?」
      俺の腰くらいあるツリーには、雪に见立てた绵に、
      ベルやら雪の结晶やら……ともかくいろんな种类のオーナメントが饰られてた。
      「このツリーだけじゃないよ。部屋の饰りつけも仆たちがしたんだ」
      「へえ……。なかなか本格的なんだな」
      オルヴァの部屋には何度か来たことがあったが、
      バラのリースや纸で作った色とりどりの轮っかで饰られてるからか……いつもとだいぶ违って见えた。
      と、その时。
      部屋の扉が开いて……クラエスとあいつが入ってきた。
      「みんな、おっまたせー! 骨付きハーブチキンに、クラムチャウダー、ブッシュドノエルができたよー!」
      「おおっ! そのチキン、うまそーだな。それじゃ早速……」
      「ダメ!」
      皿に手を伸ばしかけたとき、ゲルダがペチッと俺の手をたたいた。
      「これはみんなで食べるために、クラエスと一绪に作ったものなんだから! 独り占めはダメだよ」
      「そーだそーだ! アージェの食いしんぼ!」
      「うっせー! ……あれ。ちょっと待て。今……おまえ、なんつった?」
      「? アージェの食いしんぼ」
      「ちげーよ! クラエスじゃなくて……おまえだ、バカ女」
      「わたし……? 独り占めはダメだよ」
      「ちがう、その前だ。なんつった?」
      「えっと……クラエスと一绪に作った……」
      「そう、それだ! おまえ……自分の料理の腕がどんなのか、忘れちまったわけじゃねえよな?」
      「……わかってるもん。へたくそって言いたいんでしょ」
      (なんだよ、頬膨らませやがって。可爱いじゃ……)
      いやいやいや。思ってねえ。そんなことは思ってねえから!
      「アージェ、大丈夫だよ。オレがず――――――っと付きっきりだったから!」
      クラエスが自信たっぷりにそういった瞬间。いらっときて、つい手が出た。
      「いたっ! なんで头殴るの!」
      「别に……ただ殴りやすい位置にあったから殴っただけだ」
      「理不尽だよ! カイとオルヴァもそう思うよね?」
      「えっ……。今のは……仕方ないんじゃないかな? 仆ももうちょっとで……ううん。なんでもないよ」
      「オルヴァ? ねえ、なんで言いかけてやめるの? 笑颜が怖いよ……。カイ……」
      「え?」
      「カ、カイ!? 手に持ってる星のオーナメントに、ヒビが……!」
      「あ……おかしいな。いつの间にヒビなんて入ったんだろう?」
      「カイも笑颜が怖いよ……。オレ、何も悪いことしてないのに……」
      「クラエス。おまえちょっと黙っとけって」
      どうやらカイとオルヴァも俺と同じようにいらっとしたらしい。
      (……2人もあいつのこと、気にしてるからな。……って、2人【も】ってなんだ、【も】って!
      俺はあいつのことなんか、これっぽっちも気にしてねーし!)
      「あのね、クラエスに教えてもらいながら作ったから、どの料理も大丈夫だよ。味见だってちゃんとしたから」
      「うん。俺はその料理やケーキを见たときからおいしそうだなって思ってたよ」
      カイがにっこり笑ってそう言えば、
      「君が作ってくれたものだもんね。これ以上のご驰走はないよ」
      抜け目なく、2人があいつの料理を褒めちぎった。
      (……ふん。あいつが作ったって言う前から、俺が1番にうまそーって言ってたっつの)
      「アージェ。今切り分けるから、ちょっとだけ待っててくれる?」
      そっぽを向いた俺の前に回りこんで来たゲルダから目线をそらすと。
      「アージェの分は、多めに切り分けてあげるね」
      「……!」
      こそっと俺にだけ闻こえる声で、あいつはそう言った。
      (……バカ女。これくらいで俺が喜ぶと思ったら、大间违いなんだからな)
      と思いつつ、頬が缓みそうになって……慌てて手で隠して咳き込んだフリをした。
      「アージェ、ひょっとして风邪引いたの? 冬なのにそんな薄着してるからだよー」
      「クラエス、バカ言うな。俺は、これくらいの寒さで风邪引くような锻え方はしてねーよ」
      「えーほんとかなぁ。オレは见てるだけで寒いよ」
      「确かに……。仆なら间违いなく风邪を引いてしまうよ……」
      クラエスに続いて、オルヴァまで両肩をさすりだした。
      「あっ、だったら……アージェ、これを着たらいいんじゃないかな?」
      カイはヒビの入ったオーナメントをテーブルに置くと、脇においてあった袋から何かを取り出した。
      「そのムダに赤い服は……サンタの服か?」
      「うん。こっちがサンタで、こっちがトナカイ。あと、サンタの帽子もあるよ」
      「……俺は绝対に着ねえからな」
      「えっ、なんで? 今日のために行商人から买ったのに……」
      「なんだって? カイ……おまえ、あの镜を买ったのも行商人だったよな?」
      「あ……! そういえば、そうだね」
      「そういえばって……。カイ、この服にはなんの仕挂けもないよね? それ以前にその行商人は怪しくなかった?」
      「オルヴァの言うとおりだよ! また、あいつが……」
      クラエスが何か言いかけた、そのとき――ドアをノックする音がした。
      「お客さん……かな? オルヴァ、今日谁か来る予定だったの?」
      ゲルダの问いかけに、オルヴァは首を振った。
      「両亲が帰ってくるのは明日だし、特にお客さんが来る予定もなかったはずだけれど……」
      「「「「「……………………」」」」」


      IP属地:法国3楼2013-12-25 00:34
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        お互い颜を见合わせて黙っていると。今度はさっきより大きなノックの音がした。
        「オルヴァ。おまえが出てこい」
        「……おかしいな、急に目眩が……。ということで、クラエス。后は頼んだよ」
        「えっ! えっと……ここはアージェじゃないかな!」
        「は? バカなこと言ってんじゃねえ! こういうときは……」
        バッと后ろを振り返ったら、ちょうどゲルダと目が合った。
        (……さすがに女であるこいつに押し付けるわけにはいかねえよな)
        意を决して、一歩……歩き出そうとすると。
        「俺が见てくるよ。みんなはここで待ってて」
        「なっ……カイ!?」
        「さっすがカイ! こういうとき、頼りになるね!」
        「そんな……これくらい大したことないよ、クラエス」
        「そんなことないよ、カイ。アージェより、ずっと頼もしいよ」
        「目眩なんて、明らかに嘘ついてるおまえに言われたかねーよ」
        付き合ってられねえと思ってカイから离れたものの、见事にいいところを持ってかれた気分だ。
        (ま、こんなのいつものことだ……。きっとゲルダも……)
        「アージェ」
        「! お、おまえ……」
        てっきりゲルダもカイを褒めるに违いないと思ったら、なぜかあいつは俺の隣にいた。
        「アージェ、さっきカイより先に行こうとしてくれてたよね」
        「き、気づいてたのか?」
        「うん。目が合ったとき、おまえ行けって言われるかと思って身构えてたけど……」
        はにかみながら、あいつが上目遣いで俺を见た。
        「アージェが本当は谁よりもみんなのこと考えてくれてるって……わたし、ちゃんとわかってるよ」
        「そ、そう、か……。おまえがわかってくれてんなら、それでいい……」
        「旅のときも、いつも私たちを守ってくれてたもんね。そんなアージェだから……わたし……」
        (ちょ、ちょっと待て。この流れは、ひょっとして……ひょっとする、のか!?)
        「ゲ、ゲルダ。こんなところじゃなんだから、そういう话は二人っきりのときに……」
        「みんな、大変だよ!」
        (くそっ、またカイか!)
        いっつもいいところで邪魔しやがるカイを睨みつけてやろうとしたら……頬を冷たい风がなでた。
        「お邪魔しますよ、みなさん。おやおや……料理を切り分けているところでしたか。これはちょうどいい」
        「なっ……!」
        见覚えのありまくる雪の女王の従者は、
        唖然とする俺たちを尻目に……さっさとナイフでケーキを切り始めた。
        「见るからに甘そうなケーキですね。まあ、お子様であるあなた方には、これくらいがちょうどいいのでしょうが」
        「ちょ、ちょっと! 何胜手に自分の分を切り分けてんのさ! 敌のあんたに分けてやる料理なんて无いよっ!」
        さすがと言うべきか……作った料理がかかわってる分、クラエスの反応は谁よりも早かった。
        「こんなにあるんですし、いいじゃありませんか。远路はるばる来た客人に対して、これくらいのもてなしはすべきですよ」
        「……谁もあなたを呼んでいないと思うんだけれど」
        「オルヴァの言うとおりだよ。イヴァン、今日は仲间内でクリスマスパーティーをするつもりなんだ。悪いけど、君には……」
        「カイ。あなた……今、仲间内、と言いましたか?」
        「えっ……」
        「いいですねぇ、仲间とは。実に美しい言叶です」
        「…………あ、あの。みんな、イヴァンも仲间に入れてあげよう、よ」
        「ええー! カイ、本気でそんなこと言ってるの?」
        「……う、うん。ほら……、大势の方が楽しい、し……」
        「カイ、なんだか様子がおかしくない? 笑颜がぎこちないっていうか……」
        「や、やだな、オルヴァ。そんなこと、ないよ」
        「决まりですね。お邪魔しますよ、みなさん。おや、これは……サンタの服ですか?」
        「あ。それはカイが用意した服で……」
        ゲルダが说明しようとしたところで、
        「なるほど。ゲルダ。あなたがサンタと言うわけですね」
        (はあっ!? ゲルダがサンタだと!?)
        「えっと……まだわたしが着るって决まったわけじゃ……」
        「なぜです? あなたなら、きっと似合いますよ。この白いスカーフは、私が巻いて差し上げますね」
        「ちょっとまて! 胜手にこいつが着るってことで话を进めてんじゃねえよ!」
        あいつをかばって、背に隠すと――。
        「そうだよ! 似合うって言うのは否定しないけど、あんたの言いなりなのは嫌だ!」
        「うん。仆も彼女のサンタ姿が见たいのは山々だけど、あなたを楽しませるようで面白くないかな」
        クラエスとオルヴァも加势してくれた。
        (さっきは怖がって前に出ようともしなかったのに……こいつら……)
        「あなた方……この私に楯突く気ですか? ……いいでしょう。
        でしたらあなた方を蹴散らして、彼女と2人でクリスマスを楽しむまでです」
        冷気が部屋に巻き起こり、俺も腰の剣を抜きかけ――
        「あーあ。くだらない。どいつもこいつもバッカじゃないの」
        冷気と匹敌するくらいの冷たい声が……。
        「って、カイ!? おまえ、このタイミングで冷たくなっちまったのか?」
        「ギャーギャーうるさいよ、アージェ。あと、イヴァン。この女と2人でクリスマスを楽しむのは俺だから。
        おまえは外に出て、雪の中にでも埋まってなよ」
        「この私を相手に、そこまで强気な态度を取るとは……。カイ、身の程をわきまえなさい」
        「わきまえるのはおまえだろ。大体さ、手土产の1つも持ってこないで胜手にパーティーに乱入してくるとか。
        いい大人が耻ずかしくないの?」
        「でしたらあなたを氷付けにして、オブジェということでここに饰りましょうか」
        「あの……仆の部屋で乱闘はやめてほしいな。あと、そんなオブジェは迷惑だからいらないよ」
        さらっと2人の会话に入っていったオルヴァは、困ったようにゲルダを见た。
        「ゲルダ、2人を止めることができるのは君だけだよ。なんとかこの场を丸く治められないかな?」
        「うーん……。やっぱりここは……じゃんけんかな?」
        「じゃんけん? 何それ? 食べ物の名前?」
        「クラエス……おまえの头の中は食べ物のことしかねえのか!」
        「むっ。そんなことないよ!」
        「えっとね……このまえ友达になった京子さんから教えてもらったんだけど、じゃんけんっていうのは……」
        それからゲルダによるじゃんけん讲座が始まった。
        (グーがチョキに胜って、パーがグーに胜って……。やってみねえとよくわかんねえな)
        「ええと、じゃあみんな……じゃんけんで负けた人がトナカイ、次に负けた人がサンタってことでいい?」
        ゲルダの言叶にみんながうなずき、
        「最初はグー。じゃんけん……」
        「「「「「「ポン!」」」」」」
        みんながチョキを出す中……俺だけがパーだった。
        (あれ……ってことは、俺……)
        「アージェ、トナカイに决まりだな。いいんじゃないの、ムダに体力あるとことかそっくりで」
        「…………」


        IP属地:法国4楼2013-12-25 00:36
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          カイの言叶に负けた俺は、がっくり肩を落とした。
          (あっさり1人负けするとか……どれだけついてないんだ、俺は……)
          「じゃあ、胜ったみんなでもう1回じゃんけんだね。次负けた人がサンタだよ!」
          クラエスの言叶に、みんなの视线がゲルダに集まった。
          (そうだ。俺だってほんとはあいつのサンタ姿が……见たい)
          「最初はグー。じゃんけん……」
          「「「「「ポン!」」」」」
          今度はパーがいる中、1人だけグーを出してるやつがいた。
          さっきまで冷たい目で俺たちを见てたそいつの颜が……みるみる元に戻ってく。
          「えっ……俺?」
          カイがきょとんと自分を指差す中、ゲルダを除くみんなの脱力感は半端なかった。
          (おまえ……、何负けてんだよ……!)
          そう思ったのは俺だけじゃないはずだ。
          「サンタはカイで决まりだね」
          打ちひしがれてるカイに、ゲルダがにこっとサンタの服を差し出した。
          「う、うん……」
          「あ、そうだ。イヴァン、カイにスカーフを巻いてあげてね」
          「な、なぜ私がそんなことをしなければいけないんですか。冗谈じゃありませんよ」
          「でも、さっきスカーフを巻くって言ってくれたよね? この中でスカーフを1番うまく巻けるのはイヴァンだろうし」
          「それは相手があなただったらの话です。谁がカイのスカーフなんて……」
          「そっか……。いつも型崩れしないように绮丽に巻いてあるから、イヴァンに任せたかったけど……」
          「いつも、ということは……ゲルダ、あなたは数少ない出会いの中で、そんなにも私のことを见てくれていたのですね……!」
          「うん。その胸元のスカーフ、绝対に视界に入ってくるもの」
          「いいでしょう。あなたがそこまで言うなら、乗り気ではないですが……カイに巻いてあげます」
          「ほんと? ありがとう!」
          「えっ、あの……だったら俺、自分で巻く……」
          「カイ、良かったね。イヴァンが巻いてくれるって!」
          「……うん。そう、だね……」
          「「「カイ、どんまい」」」
          俺とクラエス、オルヴァがかけた同情の言叶が……カイの耳に入っていたかは定かじゃない。
          ――それから数分后。
          トナカイ用の服と、サンタ(やけにスカーフで胸元がふんわりしてる)の服を着た俺とカイはみんなの前に姿を现した。
          「うん……。2人ともよく似合っているよ」
          「そーだね。それに一気にクリスマス!って感じになってきたと思うな!」
          そう言うオルヴァとクラエスは、サンタの帽子をかぶっていた。
          「おまえらな……人事だと思って……」
          文句を言おうと口を开きかけて、ゲルダもサンタの帽子をかぶってることに気づいた。
          「お、おまえ、それ……」
          「あ、ちょうどイヴァンのぶんもあったから、みんなでかぶろうってことになったんだよ」
          「私は远虑したんですがね……。彼女が见たがったものですから」
          「だってこの方がみんなでおそろいって感じがするでしょ?」
          (こいつにこんな笑颜を见せられたんじゃ、みんなも従うしかねえよな……)
          着替えてこの姿を人前にさらすことにためらいはあったけど、ゲルダが楽しそうにしてるから……まあ、よしとする。
          「それじゃ、クリスマスパーティーを始めよう!」
          「ケケケ……オマエ达、楽しそうだネ。ボクも仲间に入れてヨ」
          「なっ……! てめえは……悪魔!」
          思わず腰元の剣を……ってしまった。着替えたときに剣は置いてきちまったんだ。
          「そうだ。イイコト思いついちゃった♪ ボクがとっても素敌な魔法をオマエ达にプレゼントしてやるヨ」
          「ああ? てめえのイイコトなんてどうせくだらねえことに决まってる。どっか行けよ!」
          「ザーンネン。ボクがするって决めたコトだから、オマエ达に拒否権はナイヨ」
          「な、何かするつもりなら、オレが……!」
          フライパンを构えて、クラエスが悪魔と対峙した。
          「マヌケな格好でそんなことしても、ぜーんぜん怖くないヨ」
          「マ、マヌケって言うなぁ!」
          クラエスが怒ってフライパンを振り上げた、そのとき――ピカッとまばゆい光が辺りを包んだ。
          「な、なんだこれ……! 何も见えねえ!」
          「うわっ!? か、体が……!」
          「クラエス? おいっ、大丈夫か?」
          「きゃ……!」
          「ゲルダ!?」
          「ククク。ボクからのクリスマスプレゼント……ありがたく受け取りなヨ」
          光が徐々に弱まっていくにつれて、视界もクリアになってくる。
          (ゲルダ……ゲルダは!?)
          焦って声の闻こえたほうを见れば……。
          「アージェ……」
          そこには……ゲルダに似た人形がちょこんと座っていた。
          「…………おかしいな。あいつの声……こっちからしたと思ったんだが……」
          「アージェ、わたしなら目の前にいるよ」
          「…………」
          どう考えても、今喋ったのは目の前の人形で。确かに头にサンタ帽までかぶってて、あいつに似てるとは思う。思うが……。
          「うわー何コレ!? オレたち、人形になっちゃったの!?」
          「クラエス……フライパンも小さくなっているよ」
          「あっ、ほんとだ! これだったら料理できなくもないかも!」
          「あなたはこの非常时になぜそんなにのんきなんですか。ああ……信じられません。私までこんな姿にされるだなんて……」
          おそるおそる振り向けば、そこにはゲルダと同じように人形になったみんながいた。
          「あれ……カイがいねえ……」
          「俺なら、ここにいるよ」
          「カイ! 良かった、无事だった……」
          カイを见れば……ちゃっかりその手にゲルダを抱き上げてた。
          「おいっ! おまえ、なんてうらやま……ゴホンッ、そいつを抱き上げてんだ!」
          「え、特に理由は无いよ。强いて言うなら、可爱かったから」
          「おいい! 确かに可爱いけども! せめてもっと装え!」
          「アージェ、それどころじゃないよ。みんなが……」
          「ああ!?」
          ゲルダから3人に视线を戻せば――。
          「このフライパンがあれば料理できるもん! 见てろよー、卵焼きを作ってやるから!」
          「ふん。できるものならやってごらんなさい。ああ、人形ですから水気は厳禁ですよ」
          「クラエスのあの様子じゃ心配だな……。仆も一绪に行くよ」
          「ちょ、ちょっと待て! 胜手に部屋から出て行こうとしてんじゃねえ!」
          今にも飞び出そうとしてたクラエスとオルヴァ、ゲルダに気づいて近づこうとしてたイヴァンを一绪くたにして抱え上げた。
          「アージェ、何すんの!」
          「うっせー! この状况で料理作ってる场合じゃねえだろ!」
          「あれ……。ねえ、カイがだっこしてるのって、ゲルダ……?」
          「うん。どうやら俺とアージェを除く4人が人形にされてしまったみたいだね」
          「……ゲルダは人形になってもかわいーね! カイ、オレもゲルダと一绪がいい!」
          「うん、それはともかく。戻る方法を考えないと」
          「スルーされた!!」
          「ゲルダ、今行きます。待っててください」
          「こ、こら! 俺の手から抜け出そうとすんな!」
          「ねえ、ゲルダ。この靴下见て。今日枕もとに饰ろうとしてた靴下なんだ」
          「あ、わたしも帰ったら饰らないと。サンタさん、今年のクリスマスは何をプレゼントしてくれるのかな……?」
          「…………」
          ……4人とも、危机感が无さすぎる。
          俺とカイは、そろって颜を见合わせた。
          「「大変なクリスマスになったな(なっちゃったね……)」」
          「……ジェ。ねえ。……アージェってば!」
          「!?」
          揺り动かされてるのに気づいて目を开けると……ゲルダが頬を膨らませていた。
          「こんなところで居眠りして! アージェも准备、手伝ってよ」
          「え……何言ってんだ。つか、おまえ……いつの间に元に戻ったんだ?」
          「……? アージェったら寝ぼけてるの? パーティーはまだ始まってないよ」
          「は!? いや、そんなはずねえって。だって料理も……」
          テーブルに目を向け、俺は自分の目を疑った。
          「あれ……? ここに骨付きハーブチキンと、クラムチャウダーに……ブッシュドノエルがあったはずなのに……」
          「料理なら、クラエスがまだ作ってるよ?」
          「…………」
          と、いうことは……だ。さっきまで见てたのは梦だったってわけで……。
          (俺に都合が良かったのは、そのせいか……)
          肩を落とすと、あいつが心配そうに颜を覗き込んできた。
          「アージェ、大丈夫? なんだか疲れてるみたいだけど……」
          「ち、近いって! そんな気安く颜を近づけんじゃねえ、バカ女!」
          「バ、バカじゃないもん! アージェは何かあるとすぐバカバカ言うんだから……!」
          (ああ、この感じ……。そうだ、これが现実、だよな……)
          ほっとしたような、残念なような気持ちになったところで……扉をノックする音がした。
          「あ、カイとオルヴァが买出しから戻ってきたのかも。私、出てくるね」
          玄関に歩いていくあいつを见送りかけて……ふと、似たような光景が头をよぎった。
          (なんか、これ……梦と似てんな。ま、现実にそんなこと起こるはずねえだろうし)
          あいつが扉を开くと――、頬を冷たい风がなでた。
          (いやいや、まさか……。冗谈じゃ……)
          ちらりと视线を向けたその先に真っ先に飞び込んできたのは……。
          特徴的な形の……あの、スカーフを身につけた男の影だった――。
          END


          IP属地:法国5楼2013-12-25 00:39
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            好有爱>3<
            圣诞快乐!


            来自Android客户端6楼2013-12-25 07:06
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              很有爱的图~~圣诞节快乐


              7楼2013-12-25 11:40
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                啊啊啊好萌啊啊啊~~~
                圣诞快乐~~~


                8楼2013-12-25 23:22
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