「下がっていてください、と申し上げましたが……どうやら闻こえていなかったようですね」
金髪の女性は呆れながらも、剣を振って尸人の血を払い、鞘に収める。
「もし闻こえていた上での行动でしたら、 あなたは度し难いまでの愚か者と言えますが」
澄ました颜で歯に衣着せず物を言う彼女に、アルフォンスはようやく自分を取り戻す。
「お、俺は君を助けようとしてだな……
いや、それよりもこの状况は一体なんだ!? 君は一体何者だ!? どうしてあの女性は俺を——」
——喰らおうとした? その事実は恐ろしく、とても口に出すのは惮られた。
そして、目の前にいる彼女が自分を助けたのも事実だ。“尸人”とやらを一突きにして……
様々な考えが头を巡り混乱するアルフォンスを见て、「仕方ありませんね」とため息をつく金髪の女性。
「あなたは、见たところ军の方のようですが、近顷帝都で起きている连続杀人事件……
『吸血鬼事件』を知っていますか?」
「あ、ああ、もちろん」
「では——その事件が、“本当に吸血鬼の仕业だ”と言ったら信じますか?」
「…………………………は?」
意味が分からない、と言った表情の彼をよそに、金髪の女性は地に伏した尸人を抱き起こした。その遗体は……とても安らかな颜をしていた。先ほどまでと同じ人物とは思えない。
「——ほらここ、见てください」
彼女は抱き起こした遗体の首筋を指す。そこには、2つの赤い斑点があった。それは、『吸血鬼事件』の被害者たちにあるものと、同様の痕迹であった。
「まさしく吸血鬼に咬まれた迹でしょう」
当然のように言われても。困惑してしまうアルフォンスだったが、金髪の女性は一切気にせず话を続ける。
「血を吸われ、命を落とした人间は尸人《グール》と化し、他の人间を捕食するようになります。
そして教会で祝福を施したこの剣によって、再び安息を与えられるのです」
彼女の言叶に、アルフォンスは先ほどの现実味の无い一连の光景を思い出していた。
教会、という言叶が少し気にはなったが、ひとまずそれは置いておくことにした。
「……本当に吸血鬼なんてものの仕业だというのか?そんな荒唐无稽な话を信じろと?」
「信じろとは言いませんが、事実です。诚に残念なことではありますが」
あくまで淡々とした语り口の金髪の女性。だが、言叶の通りであれば辻褄が合っていた。何より彼女の言叶には、真に迫るものがある。とても嘘を言っているようには见えない。
アルフォンスは、彼女の言叶を信じようとしている自分がいるのに惊いていた。
「吸血鬼は、确かにこの帝都のどこかに隠れているのです」
彼女は改めて语ったあと、そして——と、自分の胸に手を当てる。
「それを灭ぼすために、私はここに来ました」
“已经说过请退后了……看来您并没有听见呢”
金发女人一边露出愕然表情,一边挥剑甩落尸人的血,收剑入鞘。
“如果是在听到后还选择这样做,那你也算是个无可救药的傻瓜了”
眼前这完全不顾及对方感受,淡然说出刻薄话语的女人,终于让阿尔冯斯回过了神。
“我,我那是想救你……
不,比起这个来,现在这究竟是什么情况!?你到底是谁!?为什么那个女人要把我——”
——要把我吃掉?这个事实太过惊悚,实在是说不出口。
还有,面前这女人救了自己这也是事实。那个“尸人”什么的被她一刺就……
望着被脑中各种纷乱的思绪弄得有些混乱的阿尔冯斯,金发女人叹了口气,“真没办法啊”。
“你,看起来是军方的人吧,近期发生在帝都的连环杀人事件……『吸血鬼事件』,知道吗?”
“啊,啊—,当然”
“那么——如果我说这个事件「真的是吸血鬼所为」,你相信吗?”
“…………………………哈?”
不理会露出一副不解表情的阿尔冯斯,金发女将伏在地上的尸人抱起。那具遗体……表情很安详。难以想象与刚才会是同一个人。
“——喏,看这里”
她指着被抱起的遗体后颈说道。那里有两个红色的斑点。那是与其他『吸血鬼事件』的受害者们身上发现的印痕相同的痕迹。
“这不正是被吸血鬼咬过的痕迹吗”
就算你说的这么理所当然……。面对陷入困惑的阿尔冯斯,金发女人却丝毫不予理会,自顾自的接着说道。
“被吸血后,失去生命的人类会变成尸人,去捕食其他的人类。
而我则借助这把在教会接受过祝福的剑,再次给予他们安息”
女人的话语,让阿尔冯斯想起了刚才那一连串超现实的景象。
教会,这个词也让他有些在意,不过姑且先放一边吧。
“……难道真的是什么所谓的吸血鬼所为?你要我相信这么荒诞无稽的解释吗?”
“没要你相信,但这就是事实。虽然非常令人遗憾”
金发女人还是一如既往的平淡语气。然而,如果事实真如她所言,那么一切都是合乎逻辑的。更重要的一点,她的话语真诚让人信服。怎么看也不像是在说谎。
阿尔冯斯惊讶于自己已经有些相信她的话了。
“吸血鬼,的确就在这座帝都的某个地方潜伏着”
认真重申了自己的观点后,她接着说道,“而”——说着,她把手平放到胸前。
“正是为了消灭它,我来到了这里”