なぜ『半沢直树』は『ミタ』を超えたのか? -连ドラ评论家・木村隆志がヒットの要因を彻底分析
マイナビニュース 9月24日 15时0分配信
「夏は最も视聴率が取れない魔の季节」という业界の常识を吹き飞ばし、记录的なドラマブームを作った今クール。『あまちゃん』が着火したドラマ热に乗って、初回视聴率15%强の作品が半数を超え、なかでも『半沢直树』は全话平均28.7%、最终回42.2%の惊异的な记录を残し、今世纪最高视聴率である『家政妇のミタ』(40.0%)超えを果たした。
なぜ『半沢直树』は、今世纪最大のヒット作になったのか? 「视聴率や俳优の人気は一切无视!!」の连ドラ评论家・木村隆志が分析する。
今クールは、前回コラム「夏ドラマ全作品を初回视聴&ガチ采点!」で书いたように、こだわりのキャスティングや、「正义vs悪の真っ向バトル」を描いた作品が目立ったが、なかでも狙いが全てハマったのが『半沢直树』。大ヒットには、5つの理由があった。
【ヒットの理由1 鲜度とエンタメ性】
“民放连ドラ初”の池井戸润原作であり、「年に1本あるかどうか」のビジネス界を真っ向から描いた骨太作品で、视聴者に「これは他のドラマと违うぞ」という新鲜な印象を与えた。さらに视聴者の目を钉づけにしたのは、勧善惩悪を追求した演出。年代性别を问わず理解できる対立の図式や、半沢の大胆さ&跃动感を表现したカメラワークなど、リアリティよりもエンタメ性を重视した作品に仕上げた。
【ヒットの理由2 舞台系+意外な适役キャスティング】
堺雅人、香川照之に加え、石丸干二や吉田钢太郎ら演剧界の大スターを引っ张り出して、舞台役者らしい押しの强い演技を披露させた。さらに、统合失调症での休职歴がある同期の滝藤贤一、オネエ金融庁検査官の片冈爱之助、机バンバン小悪党上司の绯田康人、チンピラ风社长の宇梶刚士、爱人役の坛蜜など、演技力以上に适役重视で抜てき。事务所やスポンサーの力など制作侧の都合ではなく、“作品と视聴者の利益重视を贯いた”ことが功を奏した。
【ヒットの理由3 “连続ドラマ”への回帰】
ここ数年、刑事モノなどの事件解决ドラマが半数を占めるようになり、他ジャンルの作品も安定した视聴率を取れることから、一话完结型の作品が増えた。ただそれらは、「いつでも気軽に见られる反面、数话见逃しても平気」なもので、爱着はそれほど持てない。一方、『半沢直树』は、「続きが気になる」「リアルタイムで见たい」「翌日、职场や学校で话したい」という冲动を呼ぶ“连続ドラマ”らしい作品。一话完结型に饱きていた视聴者の支持を获得した。
【ヒットの理由4 日曜21时枠の底力と亲和性】
日曜21时は、「明日の仕事に备えて寝る前に」「游びから帰ってきて」など、老若男女がそろってテレビを见る时间帯。さらに、55年超の歴史を持つTBS伝统枠で、ここ2年でも『JIN-仁』『南极大陆』『ATARU』『とんび』とヒットを连発している。特に他枠よりサラリーマンの视聴者层が多いとされ、半沢の姿を见て「明日から顽张ろう」と元気に、あるいは「ありえない」とツッコミを入れて楽しむ人が続出。また、ビジネス作品でもエンタメ性を高めることで、ふだんドラマの视聴率を支えている女性の心もガッチリつかんだ。
【ヒットの理由5 致密な“クチコミ连锁”戦略】
原作とは大きく异なる“人名タイトル”でインパクトを与え、「やられたら、やり返す。倍返しだ」のキャッチーな决めゼリフで、大量の口コミを获得。决めセリフを「10倍返し」「100倍返し」と进化させるなどの二の矢もぬかりなし。さらに、悪役に一切の良心を持たせない、视聴后に谁かと话したくなるラストシーンなど、SNSが加速度的に盛り上がる工夫を重ねた。初回から一度も视聴率が下がらず完走したのは、「パソコンやスマホの画面を通して一绪に盛り上がりたい」というライブ感によるところも大きく、今后のドラマ作りに影响を及ぼしそう。
「100倍返し达成后の左迁」という结末に否定的な声も多いが、これは海外ドラマで定番の“クリフハンガー”という手法。视聴者の兴味を引きつけたまま、その先をあれこれ想像させるもので、続编が内定している作品はこの手法が取られる。まだスタッフやキャストの确保ができていないため、「やります」とは言い切れないだけで、シリーズ化は确定だろう。
木村隆志
コラムニスト、芸能・テレビ・ドラマ评论家、タレントインタビュアー。1日のテレビ视聴は20时间(同时视聴含む)を超え、ドラマも毎クール全作品を视聴する重度のウォッチャー。雑志やウェブにコラムを提供するほか、取材歴1000人超のタレント専门インタビュアーでもある。著书は『トップ・インタビュアーの聴き技84』など。
マイナビニュース 9月24日 15时0分配信
「夏は最も视聴率が取れない魔の季节」という业界の常识を吹き飞ばし、记录的なドラマブームを作った今クール。『あまちゃん』が着火したドラマ热に乗って、初回视聴率15%强の作品が半数を超え、なかでも『半沢直树』は全话平均28.7%、最终回42.2%の惊异的な记录を残し、今世纪最高视聴率である『家政妇のミタ』(40.0%)超えを果たした。
なぜ『半沢直树』は、今世纪最大のヒット作になったのか? 「视聴率や俳优の人気は一切无视!!」の连ドラ评论家・木村隆志が分析する。
今クールは、前回コラム「夏ドラマ全作品を初回视聴&ガチ采点!」で书いたように、こだわりのキャスティングや、「正义vs悪の真っ向バトル」を描いた作品が目立ったが、なかでも狙いが全てハマったのが『半沢直树』。大ヒットには、5つの理由があった。
【ヒットの理由1 鲜度とエンタメ性】
“民放连ドラ初”の池井戸润原作であり、「年に1本あるかどうか」のビジネス界を真っ向から描いた骨太作品で、视聴者に「これは他のドラマと违うぞ」という新鲜な印象を与えた。さらに视聴者の目を钉づけにしたのは、勧善惩悪を追求した演出。年代性别を问わず理解できる対立の図式や、半沢の大胆さ&跃动感を表现したカメラワークなど、リアリティよりもエンタメ性を重视した作品に仕上げた。
【ヒットの理由2 舞台系+意外な适役キャスティング】
堺雅人、香川照之に加え、石丸干二や吉田钢太郎ら演剧界の大スターを引っ张り出して、舞台役者らしい押しの强い演技を披露させた。さらに、统合失调症での休职歴がある同期の滝藤贤一、オネエ金融庁検査官の片冈爱之助、机バンバン小悪党上司の绯田康人、チンピラ风社长の宇梶刚士、爱人役の坛蜜など、演技力以上に适役重视で抜てき。事务所やスポンサーの力など制作侧の都合ではなく、“作品と视聴者の利益重视を贯いた”ことが功を奏した。
【ヒットの理由3 “连続ドラマ”への回帰】
ここ数年、刑事モノなどの事件解决ドラマが半数を占めるようになり、他ジャンルの作品も安定した视聴率を取れることから、一话完结型の作品が増えた。ただそれらは、「いつでも気軽に见られる反面、数话见逃しても平気」なもので、爱着はそれほど持てない。一方、『半沢直树』は、「続きが気になる」「リアルタイムで见たい」「翌日、职场や学校で话したい」という冲动を呼ぶ“连続ドラマ”らしい作品。一话完结型に饱きていた视聴者の支持を获得した。
【ヒットの理由4 日曜21时枠の底力と亲和性】
日曜21时は、「明日の仕事に备えて寝る前に」「游びから帰ってきて」など、老若男女がそろってテレビを见る时间帯。さらに、55年超の歴史を持つTBS伝统枠で、ここ2年でも『JIN-仁』『南极大陆』『ATARU』『とんび』とヒットを连発している。特に他枠よりサラリーマンの视聴者层が多いとされ、半沢の姿を见て「明日から顽张ろう」と元気に、あるいは「ありえない」とツッコミを入れて楽しむ人が続出。また、ビジネス作品でもエンタメ性を高めることで、ふだんドラマの视聴率を支えている女性の心もガッチリつかんだ。
【ヒットの理由5 致密な“クチコミ连锁”戦略】
原作とは大きく异なる“人名タイトル”でインパクトを与え、「やられたら、やり返す。倍返しだ」のキャッチーな决めゼリフで、大量の口コミを获得。决めセリフを「10倍返し」「100倍返し」と进化させるなどの二の矢もぬかりなし。さらに、悪役に一切の良心を持たせない、视聴后に谁かと话したくなるラストシーンなど、SNSが加速度的に盛り上がる工夫を重ねた。初回から一度も视聴率が下がらず完走したのは、「パソコンやスマホの画面を通して一绪に盛り上がりたい」というライブ感によるところも大きく、今后のドラマ作りに影响を及ぼしそう。
「100倍返し达成后の左迁」という结末に否定的な声も多いが、これは海外ドラマで定番の“クリフハンガー”という手法。视聴者の兴味を引きつけたまま、その先をあれこれ想像させるもので、続编が内定している作品はこの手法が取られる。まだスタッフやキャストの确保ができていないため、「やります」とは言い切れないだけで、シリーズ化は确定だろう。
木村隆志
コラムニスト、芸能・テレビ・ドラマ评论家、タレントインタビュアー。1日のテレビ视聴は20时间(同时视聴含む)を超え、ドラマも毎クール全作品を视聴する重度のウォッチャー。雑志やウェブにコラムを提供するほか、取材歴1000人超のタレント専门インタビュアーでもある。著书は『トップ・インタビュアーの聴き技84』など。