カツンカツンと、歩を进む度に靴裏から発せられるその音は、静寂な地下へと続くこの通路で些かながら响いた。しかし、通い惯れたまではいかずとも、何度も足を运んで来たこの场所で响くその音はハンジの留意するほどのものではなかった。
ハンジが石壁に挟まれた地下阶段を一段一段と踏みしめるように下るようになったのはごく最近だ。今までの自分であれば歌を奏でるかのような律动的な足音を响かせていただろうが、とてもじゃないが今の状况でそれができるほどハンジは非情にはなれなかった。
无意识に伏目がちになっていた姿势をしゃんと伸ばし、ハンジはそう数のない石段を下って行った。

「エレン」
决して広くはない监狱に彼―エレンはいた。
リヴァイ班结成后に访れたこの古城で、エレンの寝间だけは一度も変改することはなく、常に地下のこの场所に配置されている。
それは巨人化诸々の问题を2年経った今现在も、未だに上の者达がその事実に恐れをなしていることを意味している。いつ巨人化して暴れ回るかわからない化け物の寝间を地上に置くなんて考えもしないのだろう。
巨人をその目で见たこともないのに危机感だけは一丁前だなと颜も知らぬ有権者共に小さく嘲笑したハンジは、牢の锭前の键穴に键を差し込んもうとした。
が、ハンジの行动はどうやら徒尔だったようで、牢の鉄扉は薄く开かれ、その下には锭前が転がされていた。本来なら键が挂けられていなかったことに対し、忧虑を通り越して不用心であり、とても危険だと判断するのが妥当だろう。
しかしながらハンジは鉄格子の向こうのそれをはじめに确认していたため、别段惊くこともなくその鉄扉に手を挂けのだった。
ギキイ、と锖びついた鉄ならではの钝い音を响かせた鉄扉の 向こうで改めてエレンと対面する。
…少し窭れたかもしれない。その几分かシャープになった頬に影が差している。
彼は両手に手锭を挂けられたままベッドに横たえ、そのまま寝入っていたようだが、先ほどのハンジの呼びかけにより起こしてしまったらしい。そっと上半身を起こしていた。