
ゲルダ「カイ! おはよう」
カイ 「おはよう、ゲルダ。はい、これを……君に」
カイはわたしの目の前に花束を差し出す。
ゲルダ「わあ、绮丽……!」
カイ 「ねえ、これ见て?」
カイは花束の中のひとつの花を指差す。
ゲルダ「これ……!
去年咲かすのに失败して、カイが落ち込んでいた花……だよね?」
カイ 「うん。今年は花を咲かせるのに成功したんだよ。
绮丽に咲いたから君にあげたくて……。受け取ってくれる?」
ゲルダ「でも、カイが苦労して育てた花なのに、わたしがもらってもいいの?」
カイ 「君にもらってほしいんだ。
ゲルダの喜ぶ颜がみたくて育てていた花だから」
ゲルダ「カイ……ありがとう……。それじゃあ、もらっておくね」
カイ 「はは、君がそう言ってくれて安心した」

オルヴァは突然、わたしの手をすっと持ち上げた。
ゲルダ 「ど、どうしたの?」
ドキドキするよりも、オルヴァの儚そうな表情のほうが気になってしまった。
オルヴァ「温かいな、と思って……。
仆と违って、庭仕事ができる健康な手……」
ゲルダ 「オルヴァ……」
オルヴァ「少し……、実感させてもらっていい? 健康な温かさを」
ゲルダ 「……うん」
(なんだか不安になる)
オルヴァは病弱だけど、実际のところどれくらいのものなのかはっきりと闻いたことがない。
(なんとなく闻きづらくて……)
彼の様子を见ていると、まるで今すぐにでもいなくなってしまいそうで怖くなった。
ゲルダ 「オルヴァ。最近、体の具合はどうなの……?」
耐え切れずに寻ねてしまう。
紧张しながら、彼の答えを待つ。
オルヴァ「……いつも通りすごく悪いままだよ。外に出て君と一绪に花を爱でることも难しい。
……カイが羡ましいよ。言っても仕方のないことだけどね」

ゲルダ 「……? どうしたの?」
アージェ「……お、おまえ。なんだよそれ……」
ゲルダ 「何? あ、量が少ないかな?」
アージェ「いや、そうじゃなくて。
……俺にそのまま食べろっていうのかよ!?」
ゲルダ 「え、うん?」
アージェ「ふざけんなよっ!
女から食べさせてもらうなんてできるわけねえだろっ!?」
ゲルダ 「ご、ごめん」
アージェ「……っ。そういうのは谁にでもやることじゃねえんだからな! わかったか!?」
ゲルダ 「う、うん。わかった」

わたしはフォークでケーキを一口大わけて口の中へ运んだ。
ゲルダ 「スポンジがふわふわしてる……。 このクリームの味……いちごだよね」
クラエス「そうだよ! 君が好きないちごをクリームの中にいれたんだ」
ゲルダ 「やっぱり……! すごく美味しいよ」
クラエスの作るものは、料理もお菓子も美味しいものばかりで感心してしまう。
ゲルダ 「どうやったらこんなに美味しく作ることができるの?
カイみたいに本を読んで研究とか?」
クラエス「ううん、ひたすら作って味见する」
ゲルダ 「そ、そうなんだ」
それ以外の方法なんてない、とばかりに言い切られてしまった。
味见するだけで、こんなに美味しいものを作るなんてことわたしにはできない。
ハーブティーでさえ、毎回苦くしてしまうくらいなのに。