
T-araのパフォーマンスに元気がない!
その理由の一端を感じたのは、ライブの翌日に放送されたJTBC『アイドル试写室』に出演したT-araのボラム、ソヨン、ヒョミンのこんなコメントだった。
事务所社长に望む点は? という司会者からの质问に対して「デビューしてから今まで一度もまとまった休暇が无い」、「特にここ1年は、一日も休みが无い」と明かしていたのだ。
以前にもテレビ番组で「一日の睡眠时间は30分~2时间」と明かしていたT-ara。人気アイドルの宿命……というにはあまりにも多忙すぎるが、ウンジョンの骨折、ヒョミンの脱毛症、ジヨンの生放送中の号泣、そしてファヨンの乳首ポロリなど追い打ちをかけるような事件がここ最近、立て続けに起こっているが、これも睡眠不足とは无関系ではあるまい。なぜこんな事态に陥ってしまっているのか。K-POP事情に详しい『韩流エンタメ日本侵攻戦略』の著者・小野田卫氏は以下のように语る。
「そもそもメンバーがテレビでこの手の発言をすること自体がT-araらしいともいえます。というのも、事务所の管理がバラエティ番组での発言にまで彻底している少女时代のメンバーが同様の発言をすることは、まずありません。模范的优等生の少女时代に対して自由奔放なT-ara。その分、『态度が悪い』、『疲れを颜に出すな』などの非难も受けたこともありますが……。
T-araに限らず、韩流スターたちの睡眠时间が短いのはほぼ当たり前の话で、こんなエピーソードもあります。韩国の大物歌手Rain(ピ)がプロデュースするということで、デビュー当时から注目を集めていたMBLAQというグループがいます。彼らは先辈のRain(ピ)からの助言で印象に残った言叶として『睡眠は死んでから取れ』、『今寝なければ梦を叶えることができる』を挙げていました。このように、睡眠时间を削ってまで练习に打ち込む姿势が美徳とされる韩国文化の特徴というものが、まず问题の根底にはあるわけです」
韩国芸能界のデビュー前の练习生期间の厳しさは有名だが、T-araはすでにデビューして3年。いつまでハードな生活を强いられなければいけないのか。実际、ネット上のファンからは「点滴を一日3本も打たせて仕事させるなんて鬼畜かよ。ジヨンが过労死したらどうするんだ!」、「ヒョミンがどんどん痩せていく!」、「日本语の勉强させるのは嬉しいけど、その暇があったら睡眠を取らせてくれ」など、怒りにも似た悲鸣の声が数多く上がっている。
「T-araは所属事务所コア・コンテンツ・メディアのキム・グァンス社长の方针もあって、歌、ダンス以上にドラマ、映画での女优活动にも注力させようとしています。スケジュール管理の杜撰な韩国ドラマ・映画の撮影を、普段の音楽活动と并行して行うのはたいへんなことです。その合间を缝って歌やダンスの练习、さらには台本読みにも明け暮れるわけですから、睡眠时间が30分というのも不思议じゃありません」
东南アジア各国から欧州まで。世界进出が盛んなK-POPアイドルたちは长距离移动の手间もバカにならない。それでも当の本人たちにとっては、移动中につかの间の睡眠を取れるだけ幸せなのだろうか……。
「祝祭や学园祭、企业プロモーション、ファンミーティングなど、たいした収入にもならないドサ回り的な动きをいまだに诘め込んでいるのも多忙に拍车をかけている一因だと思われます。コンサートの収益、CD贩売の印税だけでは、これまでの投资分を回収できないのです。これは韩国芸能の関系者たちにとって、今のK-POPを中心とした韩流ブームがいつまで続くか? といった焦りのようなものが、短期回収路线に向かわせているとも言えますが……」
アイドルに求められることが多様化するいま、その弊害はアイドル个人の肉体と精神を确実に蚀んでいる。もちろん日本のアイドルグループにとっても対岸の火事ではない。事务所の缔め付けが韩国よりは弱いとはいえ、キャバクラ商法ともいわれる握手会は、ぱすぽ☆の生キス会、ハグ会などに代表されるように过激さを増す一方だ。
ろくに睡眠も取らず顽张っている姿に胸を打つことがあるのも确かだが、一ファンの心境としては、「T-araにもっと休みと睡眠を!」、「元気な状态で元気なパフォーマンスを见たい」というのが本音だ。T-ara、ファイティン! <取材・文/スギナミ 画像/Kiss実行委员会>